自分の持つ「パワー」について考えよう

皆さんは自分の持つ、「パワー」について、考えたことはありますか?
「パワー」とは、人や組織の行動に影響を与える力のことです。
たとえば、上司や先輩から雑務をお願いされた時、あなたはどんなことを感じますか?
自分の仕事に追われているからできれば断りたい……と思っても、断ったら怒られるかもしれない、仕事を教えてもらえなくなるかもしれない、扱いを悪くされるかもしれない、年上だから断れないと感じ、しかたなく引き受けたことなどはないでしょうか?
このように、「断れない」と感じさせているものこそが「パワー」です。

「パワー」の源泉

ジョン・フレンチとバードラム・レイバンはこのパワーを構成する源泉として以下の5つを挙げています。

1.強制力
叱責や処罰等、相手にとって苦痛となるものを与えることで、相手の行動に影響を及ぼすことができる力
2.報酬力
ボーナスのように、相手にとって励みとなるものを与えることで、相手の行動に影響を及ぼすことができる力
3.正当権力
役職や年齢など、相手の行動に影響を及ぼすことのできる社会的な地位
4.専門力
専門知識やノウハウを持つことで、相手の信用を得ることにより、相手の行動に影響を及ぼすことができる力
5.同一視力
相手に自分を魅力的、理想の人物として認識させることで、相手の行動に影響を及ぼすことができる力

皆さんもこれらをもとに、「パワー」を活用して、周囲に影響を与えている瞬間が思い当たるのではないでしょうか?

自分のパワーを悪い方向に使っていませんか?

上司や先輩など上の立場にある人は、下の立場の者に対して強制力や報酬力、また同一視力などを持つような立場になります。
それは本人の自覚の有無に関わらず、「パワー」を持つことになります。
「パワー」は有効に使えば、リーダーシップ能力を支え、部下のパフォーマンスを引き出すなど、プラスの方向に大きく力を発揮しますが、悪用した場合、部下をいいように使うなど周囲に悪影響を与える危険性があります。

また、自身の「パワー」に無自覚だと、嫌がっていないなどと勘違いをしてしまい、セクハラやパワハラ紛いの「いじり」をしてしまったり、部下が全く反対意見を述べないのを「自分が正しい」からだと捉え、部下の本当の意見を聞けなかったりする可能性があります。
・ 良い方向に「パワー」を発揮できているか
・ 悪い方向に使っていないか
・ 「パワー」に無自覚で実は周囲に悪影響を与えているということがないか
自身パワーについて今一度考えてみましょう。

「パワー」のマネジメントはきちんとできていますか?

「働かないおじさん」が「パワー」を持ち、若い人が疲弊しているということはないでしょうか?
新しいことができない上司が「パワー」を持っていることによって、業務の改善が進まないことはないでしょうか?
また、ノウハウを共有せずに、先輩社員などが「専門力」をもとに「パワー」を発揮し、後輩に雑務を押し付けているといったことはないでしょうか?

会社にとって、「パワー」をどのようにマネジメントするかという点は重要です。
「パワー」の配分が悪いことで、会社の風通しが悪くなり、業務改善が思うように進んでいないのかもしれません。
経営者やマネジメントする立場の方は特に、自社の「パワー」の配分について、改めて考えなおしてみましょう!

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石津 卓也株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

楽しく働けるしくみのもとで働くことが大切だという考えを持ち、そのしくみを実現させる可能性を秘めた、情報技術に関心を持つようになりました。
現在、プログラマーとして、業務の自動化、効率化やしくみづくりを行っています。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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