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男性の育休取得促進に向けて
- 2018/3/15
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男性の育休 産後8週間の休業を促進
2018年1月23日、厚生労働省「仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会」は、男性の育児参加を奨励するための方策を記載した「これまでの議論の取りまとめ骨子(案)」(以下、「骨子案」)を公表しました。
骨子案には、「産後8週間以内における男性の休業・休暇取得を推奨する風土醸成」や「育児休業を取得したことによる不利益な取扱いの禁止」、「ハラスメント防止の徹底」などが盛り込まれています。
さらに、「配偶者の企業へ手紙を送付するなどして「ワンオペ育児」抑制」など、より具体的な方策にも触れられており、従来よりも一歩踏み込んだ内容となっています。
では、実際に社内で男性の育休取得、育児参加を奨励するためには、どのようなしくみ作りが可能でしょうか。
今回はその一助となりそうな企業事例を「イクメン企業アワード2017」受賞企業からご紹介します。
イクメンの事例紹介
「イクメン企業アワード2017」受賞企業、およびその取り組みは以下のとおりです。
◆グランプリ受賞
ソニー株式会社
- 男性社員の育児休業取得率 51.1%(2016年度)
- 育児中の男性社員とその上司を対象にした「Working Fathers’ Meeting」の実施や、イクメンのロールモデルのウェブサイトでの紹介など、男性の育児参画に向けた地道な取組を継続。育児休業を4回取得した管理職がいるなど、男性も子育てをしながら働くことが「普通のこと」として受け止められる職場環境を醸成
- 自らのジェンダー・バイアスへの気付きを促す取組として、2013 年度から「無意識のバイアス」に関する研修を導入し、男性の育児参画等への無意識のバイアスを軽減
- イノベーションを起こし続けるためのソニーらしい「働き方」を実現することを目的とした働き方改革を推進。全社一律ではなく、各職場が主体的に考え、最適なやり方を再構築し、効率的で効果的なアウトプットを出していくための活動を実施
ヒューリック株式会社
- 男性従業員の育児休業取得率 75.0%(対象者8人中6人が取得)、管理職の取得率は80.0%(対象者5人中4人が取得)(2016 年度)
- 育児休業の最初の1か月間を有給化、事業所内保育所の設置、各種補助制度(保育所利用料補助・学童クラブ費用補助・延長保育費用補助・病児保育費用補助・ベビーシッター利用支援)、こども休暇(子が小学3年生までの間、子どもの用事で年間10日間有給で取得できる休暇)など独自の両立支援制度を導入
- 配偶者の出産報告があった際は、人事チームから休暇取得の促進や利用できる制度、期間などを紹介する声掛けやパパママ子育て支援ガイドの配布を徹底
- 経営トップがダイバーシティ経営や働き方改革に向けた強いメッセージを発信。従業員の声に耳を傾け、随時制度を新設・改定
- 各部署での働き方についての話し合い、プロジェクトチームによる従業員へのヒアリング・ディスカッションの実施など、従業員の声を取り入れた働き方の見直しを推進
◆特別奨励賞受賞
アクサ生命保険株式会社
- 育児休業の最初の1か月間を有給化。在宅勤務は育児や介護等の家庭の事情に関係なく利用可能
- 育児休業を5営業日以上取得した従業員に対し、こども商品券を支給するキャンペーンを実施。条件として、休業期間中にどのように育児に携わったか、またその感想などについて申請書に記載・各部門の担当者が部門長と一緒にその部門の業務に合った形で業務効率化・時間外削減・有休取得の促進を実施。優れた取組事例は社内で共有
株式会社あわしま堂
- 配偶者が出産した男性従業員に対し、管理職から育児休業の申請を促し、計画的な育児休業取得を推進
- 育児休業取得者全員の育児体験記を社内報に掲載、育児休業1か月以上取得で保育料補助手当を支給するなど、男性従業員にも育児参画を促す取組を実施
- 改善提案制度による業務効率化を実施するとともに、スキル表を活用した従業員の多能工化を図り、誰もが休みやすい環境を整備
貴重な人財確保のために
男性の育休取得は、会社側が促しを行っても、当人の意識が伴わなければなかなか進まないものです。
上記の例を参考に、社内で取り入れてみてはいかがでしょうか。
<参考>
・ 仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会(厚生労働省)
・ 「これまでの議論の取りまとめ骨子(案)」(厚生労働省仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会)
・ 「「イクメン企業アワード2017」・「イクボスアワード2017」の受賞企業・受賞者を決定しました」(厚生労働省)