3月1日は、来年度新卒採用の情報解禁日です。
それに合わせ、現在、多くの企業が準備に勤しんでいるのではないでしょうか。
そんななか、厚生労働省と文部科学省は、平成30年3月大学等卒業予定者の就職内定状況を共同で調査し、結果を発表しました。
本調査は平成9年より毎年行っており、今回で22回目となります。
今回の調査概要
・ 調査対象
…全国の大学や短期大学、高等専門学校そして専修学校専門課程の計112校に在籍する卒業予定者6,250人を対象としており、2017年12月1日現在の就職内定状況を聞き取っています。
・ 男女別
…男女別で就職内定率をみると、男性85.2%、女性87.0%と女性の方がやや高い傾向がありました。
・ 地域別
…地域別では、関東88.2%、近畿87.5%、中部87.1%と続き、中国・四国が最も低い78.7%でした。
前年同期比では関東だけが微減となり、他はいずれも改善がみられました。
・ 文系・理系別
…文理別にみると、文系85.7%、理系87.2%と、理系にやや軍配があがりました。
大学の就職率、同時期過去最高値
今回の調査結果によると、全国の「大学生の就職内定率は86.0%」でした。
前年同期比では1.0%の増加であったようです。
平成9年より行なっている同調査において「同時期過去最高値」となっています。
また、これにより、7年連続で就職内定率が上昇傾向にあることがわかります。
短期大学も同様に75.4%と前年同期比2.8%増。さらに、高校生を対象にした昨年度の調査でも、88.1%という結果が出ており、前年同期比で1.1%の増加がみられます。
あくまで同時期比較とはなりますが、学生の就職難は年々解消していることがわかります。
採用担当者がこの時期気を付けること
ご存知のとおり採用活動は内定を出して終わりではありません。
入社準備を行うとともに、本当に来年の4月1日に入社してもらえるよう、企業の採用担当者としてさまざまな施策を打っているのではないかと思います。
入社前研修や課題を出したり、内定者交流会を持つなど、どの企業も内定辞退を発生させないように取り組んでいるのではないでしょうか。
しかし、辞退を防ごうとするあまり、過剰な対応をしてしまってはいませんか。
そうです。最近耳にするようにもなった「オワハラ」です。
オワハラとは
就職活動において起きているハラスメントのことであり、就活終われハラスメントともいわれています。
企業が学生に対して、他社に行ってしまうことを防ぐために、早く就職活動を終わらせることを強要するということです。
学生が内定を得やすくなっているということは、当然取捨選択が発生します。オワハラをしてしまい、多くの内定者が逆に辞退していくというケースもあるでしょう。
「オワハラ」については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ご確認ください。
「人事部のみなさん、オワハラしてませんか?」(産業保健新聞)
まとめ ~これからについて~
前述のとおり、学生の内定率が高まってくると、企業の採用担当としても折角の貴重な内定者をいかにグリップするかが重要になってきます。
内定辞退を恐れて学生の就活終了を要求してしまうと、学生からのイメージを考えると悪印象を与えてしまうことになり、負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。
厚生労働省と文部科学省では今後も、ハローワークのジョブサポーターと大学等の就職相談員との連携を促進させるなど、新卒者等の就職支援を進めて行くようです。
企業が学生を選考する時代ももう終わりになっているのかもしれません。
これからは、学生が企業を選考する時代。
そして、企業は魅力のある組織として独自に変革することが求められてきているのではないかと思います。
参考:「平成29年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)」(文部科学省)