正月休み明けに仕事が始まってから「何となくだるい」「身体が重い」「やる気がでない…」という方も多いのではないでしょうか?
このような休み明けに感じる不調の原因の一つとして、自律神経のバランスの乱れがあります。
自律神経には、睡眠中やリラックス時に優位に働く「副交感神経」と、仕事に集中している時など心身が活動的な時に優位に働く「交感神経」があり、この2つが上手く切り替わることにより、私たちの心身のバランスは保たれています。
しかし、正月休みのような長期休暇に入ると、普段とは違う就寝時間や食生活、身体の活動量などにより、自律神経のスイッチの切り替えが上手くいかず、バランスも乱れがちです。
ここでは、自律神経のバランスを調整するポイントを3つご紹介します。
生体リズムを整える
自律神経を整える基本は規則正しい生活です。私たちの体に備わっている体内時計は1日平均24時間10分である一方、地球の自転は1日24時間で動いています。
この2つの時計をコントロールしないと、ズレが生じて時差ボケ状態となり、生体リズムに乱れが出てしまいます。
まずは、できるだけ毎朝同じ時刻に起きて太陽の光を浴び、脳にある体の親時計をリセットするようにしましょう。
そして、食事も体の抹消にある子時計をリセットする為、朝食をはじめとした3食を規則正しくとることが大切です。
栄養をとる
健康を維持し、自律神経のバランスを保つ上で、栄養バランスの良い食事は欠かせません。
体のエネルギーとなる糖質・脂質・たんぱく質をはじめ、体内の様々な代謝機能を助けるビタミンやミネラルをとるようにしましょう。
また、たんぱく質は自律神経を調整する働きのある神経伝達物質「セロトニン」の材料にもなります。
必要な栄養素をとるためのバランスの良い食事の基本は、主食・主菜・副菜を揃えることです。
適度な運動をする
ランニングや早歩きなど適度な運動は自律神経のバランスを整え、ストレス解消や質の良い睡眠にも効果的です。
2020年11月に世界保健機関(WHO)が新しく更新した「運動・身体活動と座りがちな行動に関するガイドライン」では、成人(18歳~64歳)において「中強度(ウォーキングや早歩き、軽い筋トレなど)の有酸素運動を週150~300分。もしくは高強度(ジョギングやサイクリング、山登りなど)の有酸素運動を75分~150分」を推奨しています。
まとまった時間をとることが難しい人は、まずは1日10分からでもスキマ時間を利用して1週間の「運動時間」をコツコツと積み重ねていきましょう。
正月明けは休みの感覚がなかなか抜けきれず、仕事をしていた時の生活リズムに戻しづらいですよね。
しかし体内時計は1日だけでもすぐに乱れてしまい、長く続けば続くほどもとに戻すことが大変です。
新年度の始めから気持ちよく仕事に取り組むためにも、そして健康的に過ごすためにも生活リズムや食事、運動を見直し、早めに自律神経を整えられるように心掛けしましょう。
【参考】
・ 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(PDF)」
・ WHO「WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour」(2020年11月25日)