振動障害をご存知ですか?
振動障害とは、振動が体に加わる器具などを使用することに起因する障害です。
身体に伝わる周波数によって人体への影響が異なります。
今回は循環障害や、運動障害、自律神経障害など、さまざまな影響を及ぼす可能性がある、実は怖い振動障害について紹介したいと思います。
まず、振動障害は2種類あります。
局所振動障害と全身振動障害です。
それぞれの発生の経緯等や症状が異なります。
局所振動障害
チェーンソーなど、手持ち動力具による、中・高周波にて発生します。
長時間に及ぶ作業や、作業時の姿勢が原因です。
症状は、レイノー現象といった、冷たい刺激が加わることで手の色が真っ白になり震えが止まらなくなるものが代表的です。
そのほかに、神経が刺激されることで痛みやしびれが持続したり、摩擦により、関節の軟骨がすり減ることで、関節炎などが起こり腫れや痛みが持続するなどといった症状があります。
全身振動障害
トラクターやフォークリフトなどの運転に伴う全身振動で発生します。
全身振動により、自律神経が刺激され、自律神経障害が起こります。
症状は、めまいや頭痛、気分不快のほかに、内臓が下におし下がることで腸が圧迫され、腸炎など、腸にも障害が起きやすくなります。
- 事業場で取り組む振動障害の予防
- 使用する工具を軽量で振動、騒音の少ないものを選択
- 1日の作業時間の上限を定める
- 振動を生じる作業に位置連続作業時間を決め、休憩時間を設置
- 振動から衝撃を守るための作業着や手袋などの準備
- 振動障害に関する健康教育の実施
従業員一人ひとりが取り組めるセルフケア
振動障害はセルフケアによっても発症を予防することができます。
振動を、身体へ伝わりにくくするための防護道具を正しく着用することが、第一の予防策です。
職場から支給された道具や、必要に応じて個人で準備したものを、適切に装着しましょう。
次に、循環障害による症状を防ぐために、身体の筋肉をほぐしましょう。
大きな筋肉のある肩や腰だけではなく、振動が伝わりやすい指先なども手のひらをグーパーするなどして、ほぐすことが大変有効です。
また、帰宅後や休憩時には、温めるなど血行を促進し、血液の循環を良くしましょう。
振動障害では循環障害による症状が大変多くなっているため、しっかりと筋肉を動かし、温めることは血液循環を良くするうえで大変有効です。
振動障害は、年間300件の労災認定が下りている疾患です。
小さな心がけと工夫で予防していきましょう。