お酒を飲まない人も要注意! 非アルコール性脂肪肝とは?
- 2018/8/25
- 健康管理
この時期、会社の健診を受診されている方も多いかと思いますが、検査結果はいかがでしたか?
訪問をしている企業さまで、再検査が必要な方に受診勧奨を行っていますが、「忙しいから」「自分は症状もないし大丈夫!」といった理由で再検査を受けない方がいます。
今回は肝臓のなかでも脂肪肝について詳しくお伝えいたします。
人間ドック受診者の20~30%が脂肪肝との報告もあり、今までに指摘されたことのある方もいるのではないでしょうか。
肝臓と聞いて「自分はお酒を飲まないから大丈夫」と思った方、いませんか?
実はこの脂肪肝、お酒を飲まない方でもなる可能性があります。
お酒が原因でない脂肪肝とは?
脂肪肝とは、肝臓の中に中性脂肪が過剰に貯まった状態です。
脂肪肝の原因として最も知られているのはアルコールです。
ただ、脂肪肝=お酒をたくさん飲む人の病気というイメージが強いですが、最近ではお酒をまったく飲まない人や少しだけしか飲まないという人にも増えています。
これを非アルコール性脂肪肝と呼んでいます。
脂肪肝は軽度であれば身体への影響はほとんどありませんが、肝硬変、肝不全や肝臓がんへ進行する可能性のあるものもあります。
非アルコール性脂肪肝は食生活や運動不足などの偏った生活習慣に要因があるといわれています。
肝臓は食事でとった脂肪分を中性脂肪に変えて全身に供給しますが、食べ過ぎにより脂肪分自体が多い場合や、運動不足などで消費するエネルギーが少ない場合には、中性脂肪が肝臓に過剰に貯まってしまうためです。
また遺伝的なものや体質によっても影響します。
まずは健診結果を確認してみましょう
肝臓は沈黙の臓器といわれているように、ほとんど自覚症状はありません。
脂肪肝を正確に診断するためには、肝臓に細い針を刺して中の細胞を調べる検査が必要ですが、身体への負担が大きいため、間接的に簡単に診断する検査としては超音波(エコー)検査があります。
これまで「お酒を飲まないから肝機能は問題ない」と思っていた方は、最初に自身の健診結果を確認してみましょう。
肝臓の数値はAST(GOT)・ALT(GRT)で表されます。この数値は会社の健診でも調べているため、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
基準値は、それぞれ以下のとおりです。
- AST:30U/L以下
- ALT:30U/L以下
この値を超える場合には、消化器内科などでエコー検査を受けることがおすすめです。
脂肪肝を予防・改善させるには?
脂肪肝は、生活習慣が偏っている場合が多いため、食事や運動に気を付けることで予防できます。
① 食生活の改善
- 糖質や脂肪分、ジュース、果糖の摂り過ぎに気を付ける
- 緑黄色野菜を積極的に取り入れる
- 食物繊維を十分に摂る
- 食事の量、バランスを見直す
② 運動習慣
- 毎日こまめに体を動かす
- 軽く汗をかく程度の有酸素運動や筋トレなどを行う
※ 急激な体重減少は脂肪肝が悪化する可能性があるため注意が必要です。
脂肪肝を予防する方法は、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病予防にもつながります。まずは自身の健診結果をしっかり確認して、生活習慣の見直しをしてみましょう!
<参考>
「非アルコール性脂肪性肝疾患」(国立研究開発法人国立国際医療研究センター)