アルバイトの労働条件を確かめよう!トラブルに巻き込まれないための7箇条

皆さんは、アルバイトの労働条件をしっかりと把握した上で働かれていますか?
多くの人がアルバイトによって、初めて「賃金をもらって働く」という経験をするため、労働条件の確認がおろそかになっているパターンがあります。
この記事では、アルバイトとして働く人が、トラブルに巻き込まれないために気を付けるポイントを紹介します。

よくあるトラブルの例

アルバイトを始めると、さまざまなトラブルに直面してしまうことがあります。

・ アルバイト代が給料日になっても支払われない
・ 開店準備、閉店後の締め作業にかかる時間分の給料が支払われない
・ アルバイトには有給がないと言われた
・ バイト中にケガをしたが自腹で治療するようにと言われた

このような問題が起きないように、また、起きてしまった際に、迅速な対応を行うための7つのポイントを確認しましょう!

アルバイトを始める前に知っておきたい7つのポイント

1. アルバイトを始める前に労働条件を確認しましょう!

働き始めてから認識の相違が起こらないように、アルバイトを始める前に契約書などをもらい、労働条件を自分でしっかりと確認することが大切です。

2. バイト代は毎月決められた日に全額支払いが原則です!

労働基準法で「賃金の支払いの5原則」というルールがあります。
バイト代は、①通貨で、②全額を、③労働者に直接、④毎月1回以上、⑤一定の期日に、支払われなければなりません。

3. アルバイトでも残業すれば残業手当がでます!

労働基準法では、労働者に残業をさせる場合のルールが定められています。
具体的に、次のような場合は残業手当が支払われます。

① 1日8時間または週40時間を超えた場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金
② 1か月に60時間を超える時間外労働の割増率は50%

4. アルバイトでも条件を満たせば有給休暇が取れます!

年次有給休暇は、次の条件を満たす場合、取ることができます。

・週1日以上または年間48日以上の勤務をしている
・雇われた日から6か月以上継続勤務している
・決められた労働日数の8割以上出勤している

1年間で使わなかった年次有給休暇は、翌年に繰り越すことができますが、2年で時効になるため、翌々年には繰り越すことができません。

5. アルバイトでも仕事中のけがは労災保険が使えます!

仕事が原因の病気やけがで病院に行くときは、労災保険を使うことができます。
労災保険は、正社員、アルバイトなどの雇用形態に関係なく、また、1日だけの短期のアルバイトも含めて、補償の対象になります。
労災保険に請求して、労災と認められた場合、治療費は基本的に無料となります。
また、仕事や通勤が原因のけがなどで仕事を休み、バイト代をもらえない場合には、一定額の補償が受けられる制度もあります。

6. アルバイトでも会社都合の自由な解雇はできません!

解雇は、会社がいつでも自由に行えるというものではなく、社会の常識に照らして納得が得られる理由が必要です。
また、合理的な理由があっても、解雇を行うときには、原則として使用者は少なくとも30日前に解雇の予告を労働者に対してする必要があります。

7. 困ったときは各地の総合労働相談コーナーに相談を!

アルバイトをして、労働条件など労働関係で困った場合は、全国の労働局や労働基準監督署などにある「総合労働相談コーナー」にご相談ください。
総合労働相談コーナーでは、労働条件や募集・採用、いじめなど、労働問題に関するあらゆる分野についての相談を、専門の相談員が面談あるいは電話で受け付けています。相談は無料です。

労働条件を確認するためのキャンペーンを実施

厚生労働省では、全国の大学生などを対象として4月から7月までの間、自らの労働条件の確認を促すことなどを目的としたキャンペーンを実施します。

 重点的に呼びかける事項
(1)労働条件の明示
(2)シフト制労働者の適切な雇用管理
(3)労働時間の適正な把握
(4)商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止
(5)労働契約の不履行に対してあらかじめ罰金額を定めることや労働基準法に違反する減給制裁の禁止

主な取組内容
(1)都道府県労働局による大学等への出張相談の実施
(2)都道府県労働局及び労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに「若者相談コーナー」を設置し、学生からの相談に重点的に対応
(3)大学等でのリーフレットの配布等による周知・啓発
引用:厚生労働省「令和6年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施します」

キャンペーン期間中、厚生労働省では、大学などでの出張相談や、アルバイトを始める前に知っておいてほしいポイントをまとめたリーフレットの配布などが行われるので、この機会にぜひ、ご自身の労働条件を確かめてみてください。

さいごに

アルバイトには適用されないと思われがちですが、残業手当が支払われたり、有給休暇が取れたりします。
不当な扱いを受けないためにもこのキャンペーンを機に労働条件を確認し、アルバイトの方も楽しく安全に働くことができればと幸いです。

<参考>
厚生労働省「アルバイトをする前に知っておきたい7つのポイント」
厚生労働省「確かめようアルバイトの労働条件」
厚生労働省「アルバイトを始める前に知っておきたいポイント」

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齋藤 三穂株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

大学で心理学を学んだ経験から働く人の心と身体の健康に興味を持ち、ドクタートラストに入社しました。1日のほとんどを占める仕事の時間を、健康で元気に過ごせるよう有益な情報を発信していきます!
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