少子化だからこそ、老若男女の労働力拡大を!
- 2019/8/26
- 働き方改革
人口減少、超高齢化社会というキーワードはたびたび聞かれますが、どこかで「自分とは直接的に関係ない」と感じていませんか。
このテーマ、他人事だとは思ってはいけません。
仕事が忙しくて悲鳴を上げたり愚痴をこぼした経験を多くの人はお持ちだと思います。
人口減少や超高齢化社会はさらにその忙しさに拍車をかけることになるのです。
今後加速するであろう人手不足
あなたの会社も人出不足で困っていませんか?
従業員1,000名以上の大企業では大卒求人倍率は1倍前後である一方で、従業員300名以下の中小企業の求人倍率がここ10年で3倍となっていることがその背景にあります。
つまり3人採用したいと思っていも、1人しか採用できていないのが現状です。
特にここ数年は顕著で、中小企業では労働力不足が続いています。
労働人口の減少
日本の総人口は2010年にピークを迎え、2050~2055年には1億人を切ると予測されています。
それに伴い、労働に関わる15~64歳の人数も減少し、2017年には約7,600万人だった生産年齢人口は2055年に約5,000万人となる見通しです。
割合でいうと35%の減少です。
会社で従業員が35%減ったときのことを想像してみてください。
仕事が回らなくなるのではないでしょうか。
総人口ピーク時の2010年に入社した新入社員が定年退職しているかもしれない2050年には、それが現実となってしまうのです。
出典:内閣府「高齢化の推移と将来設計」
幅広い労働力の確保を!
このように日本は厳しい現実が待っています。
しかし悲観するのは早いです。
まだ潜在的な労働力は眠っています。
まず、女性の労働力です。
都内の企業で管理職に付いている女性は10%未満と、世界でみてもワーストクラスです。
女性の管理職登用を妨げているのは男性の働き方だといわれています。
育児休暇を取らず、残業を行い、育児に携わらない。
これが依然として常態化しており、優秀な女性の活躍を阻害しているとみられています。
次に高齢者です。
医療が発達し、長寿化が進み、元気に長く働ける人が増えています。
定年は60歳を下回ることは法律上許されていませんが、長く働いてもらえるように定年の年齢上昇や再雇用などの形態で働く期間の延長は方向として進められています。
そうなると高齢化と病気は切っても切れません。
長く働いてもらうためには病気になっても働ける両立支援の体制も必要になります。
しかし両立支援が可能になったからといって社員の大多数が支援対象になってしまうのでは元も子もありません。
そうならないために、何よりそもそも病気にならないしくみを会社が構築すること、そして従業員は元気で長く働くこと。
長く安定した労働力確保の源になります。
そのためには健康診断をしっかり受診してもらい、病の早期発見をし、特定健診・特定保健指導を受けて心臓病や脳卒中の芽を事前に摘むことが大切です。
これが企業の労働力確保となり、【生産性の向上】となる礎になります。
<参考>
高年齢者の雇用の安定に関する法律
(定年を定める場合の年齢)
第8条 事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。ただし、当該事業主が雇用する労働者のうち、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務に従事している労働者については、この限りでない。