トライアル雇用とは
- 2018/10/13
- 労働安全衛生法
トライアル雇用とは
トライアル雇用とは、就業経験のない方や、長期的なブランク、就業経験が少なく知識や技能が不十分なため、安定した仕事に就けていない方を企業が一定期間雇用することで助成金が受けられる制度です。
トライアル雇用のメリット・デメリット
企業にとってのメリット
トライアル終了後の常用雇用が義務つけられていないため、助成金を受け取りながら、採用にあたる能力の適正を判断することができます。
なお、助成金の受給には要件がありますので、注意が必要です。
企業にとってのデメリット
就業経験のない方や、能力的に不足している方からの応募となるため、教育体制の整備や長期的な育成が必要な可能性があります。
また、申請書類作成等の必要があるため、担当者の事務作業の負担もあります。
求職者にとってのメリット
大きなメリットはこの制度の特徴でもある、未経験でも応募が可能であるという点です。
さらに原則、書類選考はなく、面接にてトライアル雇用での採用の可否が決定されます。
また、詳しい業務内容や事業内容、職場の雰囲気を実際に働きながら感じることができるため、納得して入社することができます。
求職者にとってのデメリット
トライアル雇用で不採用となってしまった場合でも、職歴には残ってしまいますので、注意が必要となります。
試用期間との違い
一見、試用期間との違いがわかりづらいトライアル雇用ですが、両者には違いがあります。
トライアル雇用には、原則3カ月という期限があります。
期間終了後、企業側の採用の義務がありません。
一方、試用期間の場合は通常の正社員よりは広い範囲で解雇できるといえども、すでに企業と従業員の間で雇用契約は締結されているため、正当な理由なしには解雇できません。
助成金の受給要件
助成金を受給するためには、次の要件をすべて満たすことが必要です。
① 対象労働者が、次のいずれにも該当しない
- 安定した職業に就いている
- 自ら事業を営んでいる、または役員に就いていて、1週間当たりの実働時間が30時間以上
- 学校に在籍している(学校を卒業する日の属する年度の1月1日を経過しており、卒業後の就職内定がない場合は除く)
- トライアル雇用期間中の者
② 次のいずれかに該当する
- 就労の経験のない職業に就くことを希望する
- 学校を卒業した日の翌日から、卒業した日の属する年度の翌年度以降3年以内で、卒業後安定した職業に就いていない
- 2年以内に、2回以上離職、または転職を繰り返している
- 離職期間が1年を超えている
- 妊娠、出産または育児を理由として離職し、安定した職業に就いていない期間(離職前の期間は含めない)が1年を超えている
- 就職支援に当たって特別の配慮を有する
a 生活保護受給者
b 母子家庭の母等
c 父子家庭の父
d 日雇労働者
e 季節労働者
f 中国残留邦人等永住帰国者
g ホームレス
h 住居喪失不安定就労者
③ ハローワーク・紹介事業者等の紹介で雇い入れる
④ 原則3カ月のトライアル雇用をする
⑤ 1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同程度
受給額
本助成金の支給額は、支給対象者1人につき月額4万円です。
※ 対象者が母子家庭の母または父子家庭の父の場合などは、1人につき月額5万円となります。
企業、求職者の採用、就職において最もお互いの不利益となるのがミスマッチではないでしょうか?
数回の面接でお互いの状況や能力をしっかりと知るのは難しいことも多いと思います。
企業、求職者の両者がお互いのことを知り、納得したうえで入社できるトライアル雇用を上手に活用していきましょう。
<参考>
「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」(厚生労働省)