「視環境」を整えよう~大切な眼を守るために~

近年、VDT作業(ディスプレイ、キーボードなどにより構成される機器を使用してのデータ入力などの作業)は大多数の仕事で欠かせないものとなっており、多くの人が視力の低下や慢性的な眼精疲労等のリスクにさらされています。
今回は従業員の大切な眼を守るという観点から、VDT作業を行うための「視環境」を作るうえで心がけるべき点を見ていきます。

1. 照明および採光

ディスプレイ画面の照度は500ルクス以下、書類上とキーボード上の照度は300ルクス以上にしましょう。
照度とは照明の明るさ、照明に照らされている面の明るさのことです。
VDTをする時、視線をパソコン画面、書類、キーボードなどの間で何度も行き来させます。
視線の対象の照度に差があると、視線を移動した時、眼が明るさに対する感度を調整するため負荷がかかり、その積み重ねが疲労の原因となってしまいます。
そのため、照度をできるだけ均一にし、明るさへの感度調整による眼への負荷を減らそうというわけです。
すぐにできる簡単なディスプレイ画面の照度の調整方法として、メモ帳画面など、白いディスプレイ画面を表示し、画面の明るさとコピー用紙等の白い紙と比較することで、画面の照度を調整することができます。
同様に、パソコン画面、書類、キーボードの明るさと、オフィスの明るさの差は、できるだけ小さくし、また太陽光等が、直接または間接的に入射する場合は、必要に応じて窓にブラインドやカーテン等を設け、適切な明るさになるようにしましょう。

2. グレアの防止

VDT作業では、グレアの防止を図りましょう。
グレアとは光源から受けるまぶしさのことで、眼の疲労の原因となります。
特にディスプレイへ照明や太陽光等、高輝度の光源が映り込むことによる、反射グレアを防ぐことが大切です。
そのために以下3点など、グレア防止のために有効な措置を行いましょう。

1 ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整する
2 反射防止型ディスプレイを用いる
3 間接照明(壁や天井に光を反射させて間接的に照明する方式)を用いる

3. ディスプレイの配置

ディスプレイは40cm程度の視距離を保てるようにしましょう。
ディスプレイはそれ自体が光源で、強い光を放っています。
このくらい離れてディスプレイ画面を見ることで眼への負担を減らすことができます。
40cmというと、A4の用紙の短辺が21cmになるので、A4用紙(横向き)を2枚縦に並べられる長さが、ちょうど40cm程度になります。
また画面の上端は眼の高さと同じか、やや下になるようにしましょう。
目が上に向きになると、瞼が大き開くことで涙液の蒸発を促進してしまい、ドライアイの原因となってしまいます。
視環境を整えることは、従業員の眼を守るだけでなく、眼の疲労から引き起こされる頭痛・肩凝り・精神的な不調(イライラや疲労感など)も防ぐことにつながります。
視環境を整えて、従業員の大切な眼を守りましょう。

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石津 卓也株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

楽しく働けるしくみのもとで働くことが大切だという考えを持ち、そのしくみを実現させる可能性を秘めた、情報技術に関心を持つようになりました。
現在、プログラマーとして、業務の自動化、効率化やしくみづくりを行っています。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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