近頃、メディアで「過重労働」や「過労死」、「パワハラ」などのワードを聞くことが多くなりました。
また、同時に「労働安全衛生」といった言葉を耳にすることも増えたのではないでしょうか。
そこで今回は、日本だけでなく海外の「労働安全衛生」についてご紹介いたします。
労働安全衛生法とは
労働基準法と相まって、労働災害を防止するためであったり、体制の明確化のためであったりと、快適な職場の形成を促進することを目的とした法律です。
それでは、海外での労働安全衛生とはどのような違いがあるのでしょうか?
国によって違う労働安全衛生法
まずは、罰則について。
日本で労働安全衛生法を違反した場合、基本的に50万円以下の罰金が科されることになります。
イギリスでは、労働安全衛生法のことをHSWAと呼びます。
こちらの法律に違反した場合、罰金の平均額は£30,000(およそ420万円)で、ある事例では約10億円の罰金が科されたものもあります。
では、アメリカで違反した場合はというと……なんと5,060万ドル(=57億円)です。
あくまで一例ですが、このような巨額の罰金が科せられた事例がアメリカではあります。(参照:BP北米社,2010年8月12日)
上記のことから、海外は労働安全衛生に対してかなり厳しいとわかります。
労働安全衛生の状況
続いて、労働安全衛生の状況について説明します。
労働災害による死亡者数を国別で見てみると、下記のような結果です。
日本:約880件
アメリカ:約4,670件
イギリス:約150件
上記は国ごとに労働者人数が違うため、件数には大きな差があらわれていますが、イギリスが労働者数のわりに労働災害の件数が少ないということがわかります。
労災をなくすために
日本においては、労働安全衛生法が施行されてから、労働災害の発生は減ってきたという指摘があります。
誰もが望まない労働中の災害。
法律だけでは、こういった状況をなくせないということがわかります。
このような状況をなくすためには、働く人たち一人ひとりが意識すること、そして、雇用側は過労している人が多いという現状を把握し、自分が従業員だったらといった意識を持って雇用管理に取り組むことが必要でしょう。