VDT作業の影響も
就労者は、一般の集団に比べて顎関節の痛みを持つ人が多い、という研究結果があります。
これには、VDT作業等との作業関連性や、職場での精神的ストレス、またメンタルヘルスに関わる問題が関係していると考えられていますが、今こちらの記事を読まれている方の中にも、顎関節の痛みにお心当たりのある方はいませんか?
デスクワークの方に多い健康障害、「VDT症候群」には、肩こり・眼精疲労・視力低下・頭痛・腰痛などの症状が多く挙げられますが、顎関節も筋骨格系の一部であること、またVDT作業時間の延長と、顎関節症の関連が示されていることから、VDT作業の影響を受けるものと考えられています。
TCH(Tooth Contacting Habit 歯列接触癖)が関連するトラブル
あなたが仕事中、文字を書いたり、パソコンを使っている姿を想像してみて下さい。
さて、その時あなたの歯はどこにありますか?
通常、上の歯と下の歯は食事・会話以外では触れ合うことはなく、空間を形成しており、その間に舌があるような状態になっています。
ところが以下のようなとき、歯と歯が持続的に接触していることがあります。
●精神的緊張状態・ストレス
●習慣化した作業で集中しているとき(パソコン等)
●作業が行き詰まっているとき
●緻密な作業をしているとき
●家事・力仕事
●テレビ観賞・ゲーム中
上下の歯が接触するのは本来瞬間的なものであり、接触時間は1日の合計でも20分程度だとされています。
それが、歯の接触が持続的にされた場合、顎の筋肉は常に緊張状態にさらされるのです。
TCHの何がよくないのか
軽く触れた状態でも、歯の表面にある歯根膜という神経の圧迫、血流障害が起こります。
またそれによる歯の知覚過敏症状、歯周組織の変化、ダメージによる歯の噛み合わせ痛や動揺、やがては歯周病の進行にもつながっていきます。
さらに、影響は歯だけではありません。
顎の筋肉も収縮し、緊張状態が起こりますが、これらは首・肩の筋緊張へと影響を及ぼします。
そして疲労、血流障害が、首・肩の凝りとなって出現します。
予防方法
●頬杖をしない
●上下の歯が接触したり、噛みしめることがないよう、目の届く所に意識付けの紙を貼る
●口を閉じている状態で、上下の歯が離れている感覚をしっかり覚える
⇒「口を閉じ、上下の歯を離し、顔の力を抜く」ことを常に意識する
●噛み合わせに元々問題がある場合は、まずは歯医者さんへ
⇒顎関節症の気になる治療はこちら
テーマパーク8020(日本歯科医師会)
クセとして無意識にやってしまうものは、修正がなかなか難しいかもしれません。
ですが、どういう時にTCHが起こりやすいのか上記参考にし、自身の姿勢・口元をいま一度振り返り、意識してみて下さい。