過労死・過労自殺等の労災請求があった事業場、約7割で違法な時間外労働

過重労働による健康障害を発生させた都内115事業場で法令違反

東京労働局(局長 渡延忠)は、労働基準監督署(支署)が平成27年度に実施した過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させたとして労災申請が行われた都内127事業場(以下「過労死等発生事業場」という)に対する監督指導の結果を以下の通り取りまとめました。
平成27年度の指導結果で注目すべき点としては、「過重労働による健康障害を発生させた都内115事業場で法令違反」があったとして、是正勧告を行いました。

平成27年度 監督指導結果

1 監督指導を実施した事業場数:127事業場
2 労働基準関係法令違反に対する指導状況
① 何らかの法令違反があり是正勧告を行ったもの:115事業場(90.6%)
② 違法な時間外労働があり是正勧告を行ったもの:86事業場(67.7%)
③ 過重労働による健康障害防止措置に係る是正勧告を行ったもの:39事業場(30.7%)

3 時間外・休日労働の状況

監督指導を実施した事業場における時間外・休日労働の合計時間数が最も長い労働者の合計時間数は、次のとおりでした。

1月当たり80時間超100時間以内:28事業場(22.0%)
1月当たり100時間超150時間以内:30事業場(23.6%)
1月当たり150時間超200時間以内:8事業場 (6.3%)
1月当たり200時間超:5事業場 (3.9%)

4 過重労働による健康障害防止及び労働時間適正把握に係る改善指導の状況

① 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:101事業場(79.5%)。
うち、時間外労働を月 80 時間以内に削減するよう指導したもの:71事業場(55.9%)
② 労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの:42事業場(33.1%)

上記の通り27年度の結果は、過労死・過労自殺などの労災請求があった事業場の約7割で違法な時間外労働が発覚しました。
また、臨検対象の9割に当たる115事業場で何らかの労働関係法令違反があり健康診断 や医師の面接指導など、必要な健康障害防止措置を怠っている事業場も3割にのぼっており各企業にて、適切に労働時間を把握していないことが浮き彫りとなりました。
一方、国の取り組みとして、今回問題視されている過労死については、昨年7月24日にて「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されており今後も最重要課題として、防止・削減に向けての取り組みがいっそう進んでいくでしょう。

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