そもそも個人情報とは?
ストレスチェックを受験すると個人結果が出てくるのは、皆さんご存知ですよね。
当然ながら受検結果は、個人情報に該当します。
さて、ここでまず「個人情報」のおさらいです。
通称「個人情報保護法」、正式名称「個人情報の保護に関する法律」2条によれば、個人情報は以下のように定義づけられています。
生存する個人に関する情報で、氏名や、生年月日、そのほかの情報によって「特定の個人」を識別できるもの。
他の情報と組み合わせることで、「特定の個人」を識別できるもの。
ストレスチェック結果は「機微情報」
では、ストレスチェックの受検結果についてみてみましょう。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」によると、ストレスチェックの受検結果は「労働者個人の心身の健康に関する機微な情報である」とされています。
「機微情報(センシティブ情報)」とは、社会的差別を受け得る情報であり、通常の個人情報よりもさらに慎重に取扱わなければならない情報を指します。
思想信条や本籍地なども機微情報に含まれています。
医療者の守秘義務
通常、産業医をはじめ、産業保健のスタッフは医療職であり、健康診断結果などの機微な情報を扱うことが多々あります。
もし医療職が正当な理由なく個人情報を漏洩すると、「刑法」で裁かれることになります。
もちろんストレスチェックの受検結果も機微な情報であることから、その扱い同様です。
医療職がストレスチェックの個人結果を漏洩すれば、「刑法」で裁かれる可能性があります。
クラウド上にデータ保管するべからず
前出の「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」によれば、受検結果は、実施者または実施事務従事者が記録を保存するとしています。
ただこれは、実施者に「保管場所の確保、管理」を課しているわけではありません。
受検結果の保管場所や保管方法にういては、衛生委員会で審議したうえで、事業場内で保管、管理することも可能です。
通常、実施者は産業医が担うことが多く、産業医の大半は勤務医かクリニックの開業医です。
その産業医にストレスチェック受検結果の保管を望むのは、現実的ではないでしょう。
したがって、事業者にて保管、もしくは外部業者を利用することを推奨します。
また、クラウド上での保管は利便性が高い一方、漏洩のリスクがあります。
ストレスチェック受検後は、受検結果が紙媒体で本人の元に到着するようにし、データはクラウド上に保管しない。
その方法が企業にとって一番安全といえるでしょう。