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疲れがなかなか取れない時期にこそ!帯状疱疹(たいじょうほうしん)に気をつけて
- 2022/10/25
- ドクタートラストニュース
新型コロナウイルスの蔓延により、生活にさまざまな制限が課せられている日々ですが、副産物として注目され始めているのが、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。
従来は、加齢などで発症が増える傾向にありましたが、近年は若年層でも患者数は増え始めています。
今回は、ストレスなどで免疫力が低下することで、罹患するリスクが高くなる「帯状疱疹」についてわかりやすく解説していきます。
帯状疱疹とは
日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因のウイルスが体内に潜んでいて、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。
帯状疱疹とは、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。
感染症と聞くと、ドキッとするかもしれませんが、帯状疱疹とは、過去に水ぼうそうを発症したことがあると、その時には治癒していても、ウイルスが体内の神経節に潜伏、加齢や疲労、ストレスなど何らかのきっかけで、潜伏していたウイルスが再活性化し、症状が発症することが考えられます。
つまり過去に水ぼうそうを発症したことがある人にとっては、誰にでも発症の可能性はあるといえます。
では、なぜこのコロナ禍で、帯状疱疹が増え始めているのか。
実際に、ブラジルでは、帯状疱疹の患者数はコロナ以前とくらべ、コロナ後は35.4%も増えたという論文も発表されています。※1
増加原因のひとつとして「コロナ禍の心理的ストレスによる免疫力の低下」が考えられます。
コロナ禍になり長らく制限を強いられている状況で、知らず知らずに溜めているストレスが、帯状疱疹の引き金となっている可能性が高いとされているのです。
早期発見・早期治療のための見分け方(症状)
帯状疱疹は、早期発見・早期治療により、重症化を防ぎ、後遺症が残ることを防ぐことができるため、まず早いタイミングで「帯状疱疹かもしれない」と思い、受診することが重要です。
では、どのような症状が出現するのかを見ていきましょう。
帯状疱疹の代表的な症状は、「痛みやかゆみを伴う発疹」が帯のように連なって現れるものです。
早期発見のポイントとして、この発疹が出る前の「体の左右どちらか、もしくは一部に皮膚の違和感や痛み」が出てきたら要注意です。
違和感の出現する場所は、上半身が多く、腕や背中、脚やお腹周りに出ることがあります。
この皮膚の痛みや違和感は、「虫刺され」「汗疹(あせも)」「腹痛や胃痛」「打撲」ではないかと思い、そのまま放置してしまうことも珍しくありません。
そのため、この痛みや違和感が出てきたら、皮膚の表面を見てみましょう。
皮膚の痛みや違和感があってから、数日から1週間程度で、細かく小さなブツブツや、皮膚の赤みなどがみられます。
そのため、少しおかしいなと思ったら、皮膚に変化がないかを観察し、変化があれば、病院受診をしましょう。
日頃からの体調管理を心がけましょう
帯状疱疹は、免疫力の低下によって発症するため、日ごろの体調管理が重要になってきます。
特に「年末年始に向けてお仕事を」という時期だからこそ、セルフケアは非常に大切な要素です。
体を整えるためには、食事・運動・睡眠の3要素を意識するのが一番ですが、秋から冬にかけて、まずはぜひ「睡眠」を整えてみてください。
外気温が涼しくなってきたこの時期だからこそ、「朝寒くて起きるのがつらい」、「手足が冷えて眠りにくい」など、質の良い睡眠がとりにくい要因が増えてきます。
秋冬の質の良い睡眠のポイントは、就寝前には「深部体温を下げる」です。
~深部体温の下げ方~
(1)シャワーで済まさずに、ぬるめのお湯での入浴もしくは足湯を
忙しい時はどうしても時間を短縮するために、シャワーで済ませがちですが、入眠をスムーズにするためには、就寝前にぬるめのお湯で入浴するか、足湯で足先を温めましょう。
実は時間がかかっているように見えて、早く寝るための最短ルートになります。ぜひ試してみて下さい。
(2)部屋着の厚着には要注意
寒い日が続くと、どうしても厚着で寝てしまう人が多いですが、厚着は体温の放熱ができないため、快眠を邪魔してしまいます。
寒い冬に厚手の服を何枚も厚手に重ねている人は、少し薄手のものに替えてみましょう。
※1 Célia Márcia Fernandes Maia、Nelson Pereira Marques、Edson Hilan Gomes de Lucena、Luiz Fernando de Rezende、Daniella R. Barbosa Martelli、Hercílio Martelli-Júniora「Increased number of Herpes Zoster cases in Brazil related to the COVID-19 pandemic」(「Int J Infect Dis」2021年3月号732~733頁)