休みの長さと満足度は比例しない?~理想的な休暇~

8月も半分を過ぎました。
みなさん夏休みは取得しましたか。
すでに取得された方や、これからの方、なかには9月に取られる方もいらっしゃるかと思います。
今回は満足度や幸福度を高める休暇について考えてみましょう。

日本人の有給取得率は今後伸びる?

厚生労働省の調査によると平成30年の日本人の年次有給休暇の取得率は51.1%という結果でした(※1)。
この結果、みなさんは低いと思われますか?
旅行会社のエクスペディアジャパンが行った国別の有給取得率では、19か国中、日本は3年連続最下位でした(※2)。
日本は有給休暇が取りづらい文化であることが証明されたと言えるでしょう。
そういった文化を変えるべく、2019年の4月からすべての企業において、雇用者は時季を指定して年5日の有給取得(年10日以上付与される労働者対象)させることが義務化されました。
このルールが効果的かどうかは、来年発表される厚生労働省の報告に注目したいところです。

休みは長ければ長いほどよい?

では、みなさんは休暇などで自由時間が増えることにより、生活の満足度や幸福度は上がると思いますか?
興味深い研究がアメリカで実施されました。
それは、約3.5万人を対象に「現状の生活満足度」と「1日に所有する自由時間」についての調査です(※3)。
結果は、仕事をしている人は1日あたり自由時間が2時間30分あるときに生活満足度が最大になり、仕事をしていない人は4時間45分の時がピークだったそうです。
さらに、満足度の最適値を越えて自由時間を与えられると満足度は逆に下がってしまい、生産的でない時間を過ごしてしまったと感じるとのこと。
2019年5月の連休で9連休だった人から「長すぎて何をすればよいか良いかわからない」「間で出勤したほうが良い」という意見が多く聞かれたのは、満足度の最適値を過ぎてしまうのも一つの理由だったかもしれません。

幸福度の高い自由時間とは

では、どのような自由時間を過ごす時が一番幸福度が高くなると思いますか?
答えは「お金で買った自由時間」という研究結果が報告されています(※4)。
たとえば、外で出来合いの物を買ってきたり、出前頼んで料理を作る時間を節約したり、ハウスキーパーを雇って部屋の掃除をしてもらったり、ベビーシッターに子どもの世話をしてもらい自由に過ごしたりすることで幸福度が高くなるということがわかりました。
確かにお金を払って自由を買うと、計画的にやりたいことをしようという意識が働き、幸福度が高まるというふうに考えられます。
有給休暇は会社からお金を貰って自由時間を貰えるため、一見贅沢なようですが、逆に犠牲にするものがないため、どこか「当たり前」という気持ちになるのかもしれません。
加えて、自由時間は長さと質だけでなく、どのタイミングで取れるかということも重要だと思います。
皆さんはいつのタイミングにどれだけの時間・日数の自由があるときが一番幸福感を得られるでしょうか?
それを意識しながら休みを計画的に取れるといいですね。

<参考>
※1 「平成30年の就労条件総合調査の概要」(厚生労働省)
※2 「有給休暇取得率3年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2018」(エクスペディア・ジャパン)
※3 “The Effects of Being Time Poor and Time Rich on Life Satisfaction”
※4 “Buying time promotes happiness”

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