改めて知りたい「麻疹」について
- 2017/11/24
- 病状・症状
改めて麻疹って何?
麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。
麻疹ウイルスは、空気感染、接触感染、飛沫感染と様々な経路があり、人から人へ感染します。
また、感染力は非常に強く、免疫を持っていない方は感染するとほぼ100%発症します。
一度発症すると一生免疫が持続すると言われています。
過去の流行推移を見ると、平成19年、20年に大きな流行が見られましたが、平成20年より5年間、ワクチン接種を受ける機会を設けたことで、平成21年以降は患者数が激減しました。
しかし、今年(平成29年)も、海外で感染した患者から帰国後に感染が広がったケースなど、日本の感染者の8割は成人となっています。
麻疹に感染すると……
麻疹に感染すると、約10日後に症状が現れます。主な症状は発熱や咳、鼻水といった症状です。
3日程熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出ます。
中耳炎や肺炎を合併しやすく、1,000人に1人先進国であっても、死亡する割合があります。
大人が発症すると、中耳炎・肺炎・脳炎などの合併症を発症しやすく、症状が悪化すると入院治療が必要となる可能性もあるため、決して軽視してはいけない病気です。
麻疹に感染したら出勤はどうする?
麻疹は、学校保健法では、解熱3日後まで出席停止が定められています。
企業では、出席停止を定める法律はなく、個人の判断での出勤となります。
ただし、万が一免疫がない人に感染をさせてしまうと、先にお伝えしたような非常に重い症状を引き起こしてしまいます。
それが妊婦であれば、3割程度が流産してしまうこともわかっています。
もし受診をして麻疹とわかった場合は、速やかに上司へ報告し、会社に麻疹に対する知識がなければ、学校保健法や感染した場合のリスクを伝えて休む理解を得るようにしましょう。
麻疹の予防方法
麻疹は感染力が強く、空気感染もする為、手洗いだけでは予防出来ません。
ウイルス自体の大きさもとても小さいので、普通のマスクではすり抜けてしまい、マスクでの感染予防も難しいとされています。
最も有効な予防法は、予防接種のみです。
最近では海外渡航時に感染したり、空港で集団感染する事例も見られました。
海外で仕事をする機会が多い方は、予防接種歴・感染歴を必ず確認してください。
また、麻疹に感染している方に接触した場合、72時間以内にワクチンを接種することも効果的であると言われています。
麻疹のワクチンを接種することによって、95%以上の人が麻疹ウイルスに免疫を獲得することが出来ると言われています。また、2回の接種を受けることで1回で免疫が付かなかった人の多くに免疫を獲得出来ます。
なお、麻疹のワクチンは、ニワトリの胚細胞を使って作られており、卵そのものは使っていない為、卵アレルギーの心配はほとんど無いと言われています。しかしながら、重度のアレルギーの方は、アレルギー反応が起きる可能性もあるので、接種時に医師に相談すると良いでしょう。
参考:厚生労働省「麻しんについて」