最近よく耳にする「睡眠負債」。
現代人は、慢性的な睡眠不足や不眠症などの睡眠障害などのトラブルを抱えています。
「睡眠負債」とはスタンフォード大学の研究者によって提唱された言葉で、日々の睡眠時間が十分確保できていないために睡眠不足という負債がたまることです。
わずかな睡眠不足が借金のようにじわじわ積み重なって、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態です。
危険な睡眠負債
睡眠負債がたまると、「がん」「心臓病」「糖尿病」などの重大な疾患を引き起こすリスクが高くなります。
最近の研究では、精神疾患の罹患率にも相関関係があることや、アルツハイマー病など脳へのダメージが大きいことも解ってきました。
自分では気づかないうちに、仕事や家事のパフォーマンスが落ちたり、生命にかかわるような病気のリスクが高くなる可能性があります。
自分で気づいている?睡眠負債
国の調査(国民栄養・健康調査)によれば、睡眠時間が6時間以下の人は平成20年には全体の30%未満でしたが、平成27年のデータによると40%近くに急増しています。
自分の睡眠負債ってどのくらいあるのか知りたいと思いませんか?
簡単に調べる方法として3種類の尺度をご紹介いたします。
*「エプワース眠気尺度」(Epworth Sleepiness Scale):主としてSASに利用されるようですが、日中の眠気を自分で測定できる尺度です。
*「スタンフォード眠気尺度」(Stanford Sleepiness Scale):スタンフォード大学で開発された眠気の自己評価尺度です。また、NHKスペシャルでも放映された「睡眠負債リスクを調べるチェックリスト」もお試しください。
睡眠負債の返済方法
睡眠負債があるとわかったら、どうすればよいのでしょうか? その解決策は単純で「良質な睡眠」をとることです。
良質な睡眠とは、「すっきりした目覚めである」ことと「日中快適に過ごせる」ことができる睡眠です。
良質な睡眠をとるための簡単なヒントを3つご紹介いたしますのでぜひお試しください。
1. 規則的な早寝、早起きを心がける。
起床時には朝日を浴びて体内リズムをリセット。
日中に光を浴びることで睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が活発になります。
2. 寝る前にスマホ、PCの画面を見ることは避ける。
「ブルーライト」により起床時から約15~16時間後位から分泌される睡眠ホルモンの分泌が抑制されます。
3. リラックスできる環境を作る。
温度・照明・アロマなどの工夫で快適な寝室環境を作ったり、寝る前の簡単なストレッチも寝つきを良くするには効果的です。
健康的で規則的な生活習慣が、睡眠の質を改善する第一歩です。
目覚めスッキリの朝をお迎えください。