健康経営を進めたいが予算もないし、何から手をつけていいのかわからない…という話を耳にします。
今回は健康経営について自社に合った取り組みを実践されている企業の事例を紹介したいと思います。
社内のコミュニケーションを活性化する「サンクスカード」
「サンクスカード」はその名のとおり、「感謝の気持ち」を見える化するためのコミュニケーションツールです。
テンプレートは至ってシンプルで、以下の内容が一般的のようです。
- 自分の名前
- 相手の名前
- 日付
- 感謝の言葉
言葉では照れくさく話しにくいことでも、カードでなら伝えやすいということもあって、導入する企業が増えています。
「サンクスカード」を取り入れることで、期待される効果は次の点が挙げられるでしょう。
- 社員間のコミュニケーション活性化
- 職場のモチベーションアップ
「ありがとう」が溢れる職場は働きがいのある職場
そんな「サンクスカード」をどのようにして渡すかについても各企業では工夫が施されています。
「手渡し」だけに限定してしまうと、内気な人は渡しにくいだろうという配慮から、「サンクスカードボックス」を用意し、人目を気にせずカードを入れることができるようにしているケースもあるようです。
またある企業ではカードが一定数たまるとインセンティブがもらえたり、なかには一定数のサンクスカードを出す目標を定めたりしている企業もあります。
「ありがとう」と言われるのは誰しも嬉しいことですよね。
感謝の気持ちを伝え合うことで、コミュニケーションが円滑になり、働きがい(ワークエンゲージメント)も感じられることでしょう。
サンクスカードは書く側にもメリットがある
「サンクスカード」の効果としてはカードを受け取った側だけではなく書く側にもメリットがあります。
「月に〇枚以上はサンクスカードを書かなくてはならない」とルールを定めることで、社員がお互いの良いところに気づく、見つけようと心掛けることにもつながります。
そうすることで普段の業務でかかわる社員の優しさに気づくきっかけにもなります。
人の粗を探すよりも、良いところを探しながら仕事をしたほうがポジティブになれると思いませんか。
最初は「何を書けばいいかわからない」と感じられるかもしれませんが、お互いの社員の良いところを探そうという心掛けを持つように会社が働きかけることは、健康経営の第一歩になるのではないでしょうか。
「サンクスカード」は様式がシンプルであるため、費用をかけずに社内のコミュニケーション活性化、モチベーション向上を進められるツールのひとつといえそうです。
これからも不定期にはなりますが手軽に始められる健康経営施策をご紹介できればと思います。
<参考>
全国健康保険協会愛知支部「健康経営好事例集」