公共調達で加点!「えるぼし」を取得しよう

皆さまは、「えるぼし」をご存知でしょうか?
「えるぼし」とは、女性の活躍推進に関する取組の実施状況等が優良な事業主に対して、厚生労働大臣が発行する認定マークです。
このマークの認定を受けると、自社の商品や広告、求人票への使用が認められるだけではなく、別の魅力もあるのです!

えるぼしはこうして生まれた

先に簡単に説明したこのマークですが、その誕生の背景にも少し触れていきます。
この「えるぼし」の認定は、2016年4月に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(いわゆる「女性活躍推進法」です)を背景にスタートした事業です。
認定を受けた場合、女性活躍推進事業主であることをPRすることができ、優秀な人材の確保や企業イメージの向上につながることから、現在全国で579社が取得しています(2018年3月31日時点)。

公共調達で加点!

えるぼし取得によって、企業のイメージアップはもちろんのことですが、実は公共調達においても加点の対象となります。
各府庁省等が総合評価落札方式や企画競争によって公共調達を実施する場合は、「女性活躍推進法」に基づく認定企業を加点評価するように定められています。
さて、一体どのくらい加点されるのでしょうか?
それは、「えるぼし」のランクによって差が出てきます。
このマークは、認定の評価項目を満たす項目数に応じて3段階に分かれており(一つ星、二つ星、三つ星)、それぞれで加点されるパーセンテージが異なります。

三つ星二つ星一つ星

また、具体的な配点は、各府庁省が契約の内容に応じ、配点割合を含めそれぞれ設定します。
そのため、この場で一概に「◯点!」といえませんが、厚生労働省は例として総配点の3〜10%の場合の点数を公開しています。

えるぼしは、こうして取得

「えるぼし」は、事業主が女性の活躍を推進するための一般事業主行動計画を策定し、社内で周知、公表した後、都道府県労働局に申請することで取得できます(女性活躍推進法、および女性活躍推進法に基づく命令その他関連法令に違反していないことも取得の条件です)。
また、先ほど認定は評価基準を満たす項目数によって3段階に分かれていると記述しましたが、評価基準は下記の5つとなります。

その1:採用

男女別の採用における競争倍率が同程度である

その2:継続就業

① 女性労働者の平均継続勤務年数 ÷ 男性労働者の平均継続勤務年数が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.7以上である
② 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された女性労働者の継続雇用割合 ÷ 10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された男性労働者の継続雇用割合が雇用管理区分ごとにそれぞれ0.8以上である
※ ①もしくは②の項目のどちらかを満たせばよい

その3:労働時間等の働き

労働者の法定時間外労働、および法定休日労働時間の合計時間数の平均が、直近の事業年度の各月ごとにすべて45時間未満である

その4:管理職比率

管理職に占める女性労働者の割合が基準の数値の範囲内である等

その5:多様なキャリアコース

直近の3事業年度において、女性の非正社員から正社員への雇用や、キャリアアップ等の実績がある(大企業と中小企業では基準が異なる)

上記の評価基準のうち、1~2つの基準を満たすと一つ星、3~4つを満たすと二つ星、すべて満たすと三つ星のマークとなります(加えて、星の数に関係なく、各基準の実績を毎年厚生労働省のウェブサイトに公表しなくてはいけません)。
また、一つ星、二つ星に関しては、満たしていない基準に対して、事業主行動計画策定指針に定められた基準に関する取り組みを実施し、2年以上連続してその実績が改善しているということも必須です。
今回は、公共調達の加点項目の1つとして「えるぼし」をご紹介しましたが、その他にも、「くるみん」や「ユースエール」に認定された企業にも加点措置はあります。
公共調達に関することだけでなく、こういった認定マークは、労働環境整備への取り組みを、社内外問わず広くアピールすることが可能です。
何かとオトクな認定マーク、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

<参考>
・ 「「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく認定を取得しましょう!」(PDF)(厚生労働省)
・ 「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針(平成28年3月22日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)について」(内閣府男女共同参画局)
・ 中小企業のための女性活躍推進サポートサイト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】コロナでどう変わった?24万人のストレスチェック結果を1年前と比較してみたら意外な結果が…!

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る