今話題の「電子たばこ」は本当に無害?

インターネットで「電子たばこ」と検索すると、IQOS(アイコス)やPloom Tech(プルームテック)といった製品の人気が非常に高まっていることがわかります。
「たばこにくらべて健康に良い」「煙も安全だからどこで吸っても良い」など、良いイメージが先行して高い人気を誇るこれらの製品。
発売当初は、人気のあまり購入が制限される事態も発生しましたが、実はこれらの製品は、厚生労働省から紙たばこ同様に受動喫煙対策の対象にして規制したい対象として検討されているのをご存知でしょうか。
電子たばこが健康に害がないなら規制は筋違いでは? と驚かれた方へ、電子たばこの正しい知識をお伝えしようと思います。

電子たばこって何?

そもそも、電子たばことは何を指すのでしょうか。厚生労働省の「たばこの健康影響評価専門委員会」において提出された資料には次のように記載があります。

電子たばこは、カートリッジに入った液体を電気的に霧状にして吸引する、一般的には紙巻たばこ に似せて作られた製品。
本体は大きく分けて、バッテリー、カートリッジ、カートリッジ内の液体 を加熱して霧化させる部分で構成、カートリッジ側にある
吸い口から吸引するとカートリッジの液 体が霧化され蒸気となって吸い口へと流れてゆく。(財務省)

また、たばこメーカーである日本たばこ産業株式会社のWEBページには以下の記載があります。

「電子たばこは、たばこ葉を使用しておらず、日本国内では「たばこ製品」として販売されているものはありません。」

これらから、電子たばこは、液体を加熱して発生する蒸気を吸い込む製品で、日本国内で販売されている商品はたばこ製品ではない、ということになります。

あの商品は、電子たばこではなかった

先に名前を挙げましたが、実は一般に電子たばこの呼称で呼ばれることが多い、IQOS(アイコス)やPloom(プルーム)といった商品は、電子たばこではなく、電気加熱式たばこという取扱いになっています。
電気加熱式たばこの定義は次の通りです。
「電子機器と組み合わせて、たばこ葉またはそれを加工したものを燃焼させずに電気で加熱して発生するニコチンを吸入するたばこ製品」
この定義の電子機器の部分が先行してしまって「電子たばこ」と混同してしまうことがあるようです。
電子たばこと大きく異なるのは、あくまで「たばこ製品」の一つであり、依存性のあるニコチンや発がん物質の一部を含んでいるということです。
※ 製品パッケージにも、従来の紙巻きたばこ同様、「喫煙はあなたにとって肺がんの原因の一つになります。」といった注意書きがきちんと記載されています。

電気加熱式たばこの健康への影響

IQOS(アイコス)のWEBページ上には「紙巻きたばこに比べて、有害物質を約90%カット」と書いてありますが、同時に「リスクがないわけではありません」とも書かれています。
それは、先の述べたように、ニコチンを含む有害物質を摂取する行為があるたばこ製品だからです。
また、厚生労働省の「喫煙と健康喫煙の健康影響に関する検討会報告書」には、加熱式たばこ、無煙たばこの健康への影響については「今後の研究が待たれる」との記述がありますから、どんな影響があるか、はっきりとしたことはわからないと考えるのが妥当です。

つまり現時点でいえることは、結局はたばこであって健康に何らかの影響を与えることにかわりはないということです。
日本禁煙学会からも提唱されていますが、健康リスクを軽減させる唯一の方法は、たばこも加熱式たばこも、どちらも使用をやめるということです。

電気加熱式たばこについては、今後も国内外で議論・科学的検証が進められていくと思いますので、使用を検討されている方や、既に愛用されている方は、報道の動向にぜひ注目してください。

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