平成28年5月19日、東京労働局より、平成27年度の司法処理状況が取りまとめられました。
書類送検の内訳
平成 27 年 4 月から平成 28 年 3 月までの 1 年間に、合計 63 件(前年度に比べ 9 件の増加)の司法事件が東京労働局及び管下18 労働基準監督署(支署)によって東京地方検察庁へ送検されました。
主要な違反事項別では、以下のとおりになります。
・36 協定に定める時間を超えて長時間労働に従事させた等、労働時間に関する違反が 19 件(30.2%)
・死亡災害等を契機とした危険防止措置義務違反が 14 件(22.2%)
・賃金の支払に関する違反が 7 件(11.1%)
特に長時間労働による違反が割合の多くを占めています。
また、業種別の内訳でいうと、商業が 18 件(28.6%)と最も多く、次に建設業の 15 件(23.8%)となっています。
この当該 2 業種で全体の半数以上を占めています。
長時間労働に関する送検事例
全国各地に小売店を多店舗展開する会社が運営する都内の店舗において、
労働者 2 名に対し、平成 26 年 4 月 13 日から同年 5 月 10 日までの 4 週間において、法定労働時間である 1 週 40 時間を超えた違法な時間外労働を 100 時間前後行わせていました。
さらに、労働者 2 名に対し、平成 26 年 4 月 11 日から同年 5 月 10 日までの間に、労働基準法第 36 条に基づく時間外労働に関する協定で定める限度時間を超えて、100 時間前後の時間外労働を行わせていました。
長時間労働への厳しい目
当ブログでも既に触れていますが、今年の5月に、違法な長時間労働があったとして企業名を公表しました。
長時間労働を行っている企業に向けられる目は、年々厳しくなっています。
昨今、「ブラック企業」も話題となっており、長時間労働を行うことは経営上のリスクになっています。
今一度、貴社の実情を鑑みてはいかがでしょうか。
もし長時間労働が発生しているのであれば、体制・人員数・業務内容を確認し、適切な改善を行っていく必要があるでしょう。