平成28年6月から、リスクアセスメント義務化!
- 2016/3/8
- 労働安全衛生法
事業場で使用される化学物質の種類は年々増加しており(現在約6万種、毎年1,200物質が新規届け出されています!)多様性が広がっていることから、労働者の安全や健康に配慮した、新たな対策の強化が必要であると考えられてきました。
そういった背景を受け、平成28年6月1日施行の改正労働安全衛生法で、一定の危険有害性のある化学物質(640物質)について、事業場におけるリスクアセスメントが義務づけられました。
また、譲渡提供時に容器などへのラベル表示も義務づけられます。
640物質とは?
今回対象とされた640物質(安全データシートの交付義務があるもの)に関しては、厚生労働省「職場のサイト」で検索可能です。
参考:厚生労働省「職場の安全サイト」
ご自身の事業場で使用されている物質が該当しないか、ぜひ確認してみてください。
また対象となる事業場に関しては、業種、事業場規模にかかわらず、対象となる化学物質の製造・取扱いを行う すべての事業場が対象となります。
厚生労働省からも注意喚起されていますが、製造業、建設業だけでなく、清掃業、卸売・小売業、飲食店、医療・福祉業など、さまざまな業種で使用される物質が対象となっています。
実施義務、努力義務
新たに義務となったリスクアセスメントですが、一体何をすればいいのでしょうか?
厚生労働省では下記ように定義しています。
<リスクアセスメントとは>
化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる労働者への 危険または健康障害を生じるおそれの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討すること
改正労働安全衛生法の施行以降(平成28年6月以降)、下記条件に該当する場合はリスクアセスメントを実施しなければなりません。
<法律上の実施義務>
1. 対象物を原材料などとして新規に採用したり、変更したりするとき
2. 対象物を製造し、または取り扱う業務の作業の方法や作業手順を新規に採用したり 変更したりするとき
3. 前の2つに掲げるもののほか、対象物による危険性または有害性などについて変化 が生じたり、生じるおそれがあったりするとき
※ 新たな危険有害性の情報が、SDSなどにより提供された場合など
<指針による努力義務>
1. 労働災害発生時
※ 過去のリスクアセスメント(RA)に問題があるとき
2. 過去のRA実施以降、機械設備などの経年劣化、労働者の知識経験などリスクの状況に 変化があったとき
3. 過去にRAを実施したことがないとき
※施行日前から取り扱っている物質を、施行日前と同様の作業方法で取り扱う場合で、過去にRAを実施したことがない、または実施結果が確認できない場合
実施の流れ
実施の流れとしては、下記の5ステップで進めていきます。
ステップ1:有害性の特定 → ステップ2:リスクの見積もり → ステップ3:リスク低減措置の検討 → ステップ4:リスク低減措置の実施 → ステップ5:労働者への結果周知
各ステップでの具体的な取り組み内容に関しては、厚生労働省からのお知らせに詳しく記されています。
参考:厚生労働省「労働災害を防止するためリスクアセスメントを実施しましょう」(PDF)