第3回緊急事態宣言が終わり、コロナウイルスワクチンの接種が本格化となりました。
この1年で社会情勢が大きく変化しましたが、慣れない環境に立たされた今、労働災害面はどのような変化をしているでしょうか。
今回は、労働災害をなくすための活動、令和3年度「全国安全週間」について確認していきましょう。
全国安全週間とは?
今年で94回目となる全国安全週間は、厚生労働省と中央労働災害防止協会の主唱により、「産業界での自主的な労働災害防止活動を推進するとともに、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的とした活動です。
労働災害を防止するための活動の推進と、職場での安全に対する意識を高め安全を維持するために、毎年7月1日から7月7日まで実施しています。
令和3年度の全国安全週間のスローガンは、「持続可能な安全管理 未来へつなぐ安全職場」です。
詳しい実施要項については下記ページをご確認ください。
◆ 中央労働災害防止協会「令和3年度全国安全週間実施要綱」
令和2年の労働災害発生状況
厚生労働省から「令和2年の労働災害発生状況」が公表されました。
◆厚生労働省労働基準局 安全衛生部安全課「令和2年 労働災害発生状況(PDF資料)」
事業場では、労使が協調して労働災害防止対策が展開され、この活動により労働災害による死亡者数は3年連続で過去最少となりましたが。
その一方で、休業4日以上の死傷者数は平成14年以降で最多となりました。
理由として考えられることは、
・ 高齢者の労働災害や転倒災害
・ 「動作の反動・無理な動作」による労働災害
などに加え、新型コロナウイルスの感染による労働災害の増加が挙げられます。
全国安全週間にむけて準備できることは?
新型コロナウイルスの影響で社会情勢が変化している今、従業員が安心して安全に働くために職場としてはどのような取り組みができるのか、確認していきましょう。
◎ ゼロ災運動
ゼロ災運動は、人間尊重の理念に基づき、全員参加で安全衛生を先取りし、一切の労働災害を許さずゼロ災害・ゼロ疾病を究極の目標に働く人々全員が、それぞれの立場、持ち場で労働災害防止活動に参加し、問題を解決するいきいきとした職場風土づくりをめざす運動です。
◎ 危険予知訓練(KYT)
危険予知訓練は、危険(Kiken)のK、予知(Yochi)のY、トレーニング(Training)のTをとって、KYTともいいます。
この訓練は、職場のKY(危険予知)活動を高いレベルにするために、危険予知職場や作業の状況のなかにひそむ危険要因とそれが引き起こす現象を、職場や作業の状況を描いたイラストシートを使用して確認したり、現場で実際に作業をさせたり、作業してみせたりしながら、小集団で話し合い、考え合い、分かり合って、危険のポイントや重点実施項目を指差唱和・指差呼称で確認して、行動する前に解決する訓練です。
KY活動がマンネリ化しているという職場には「職場のKY活動マンネリ化チェックリスト」を取り入れ、安全先取りの職場を作りましょう。
◎ 高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン
エイジフレンドリーガイドラインについて、詳しく記載した記事がありますので参考にしていただければと思います。
◎ STOP!転倒災害プロジェクト
STOP!転倒災害プロジェクトとは、休業4日以上の死傷災害で最も件数が多い「転倒災害」を減少させるための活動です。
下記サイトでは、転倒災害の防止に関連する様々な情報を掲載しておりますので、転倒災害防止対策の推進にお役立てください。
◆ 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「STOP!転倒災害プロジェクト」
全国安全週間は日ごろの労働環境を見直す機会です。
スローガンのとおり、コロナ禍で変化し続ける社会情勢にも対応するために、将来を見据えた持続可能な安全管理を、全国安全週間を通して継続して実施していくことが大切です。
この全国安全週間を機に職場の問題を解決し、安全が先取りできる明るくいきいきとした職場づくりを目指しましょう!