少子高齢化社会による働き世代の人口減少が大きな問題となっています。
そこで、国が助成金等の支援をし、高齢者雇用促進、働き手不足を解消につなげる動きが推奨されています。
今後ますます増えていくだろう高齢者の雇用ですが、やはり体力や健康状態の問題、肉体的に負担の少ない配置等、問題もあります。
また、加齢に伴う転倒、転落の労災……にも注意しなければなりません。
平成29年のデータをみると、つまずきによる転倒は、労災発生件数全体の20%以上を占めます。
そんな中、2018年12月に中央労働災害防止協会が企画協力し、転倒災害を防止するためのセミナーが開催されました。
身体能力のセルフチェック
セミナーの一部は、動画にて公開されています。
参考:労働新聞社 【中災防×労働新聞社】転倒災害防止のための身体機能向上セミナー
https://www.rodo.co.jp/movie/61949/
講義のテーマは「身体機能低下による労働災害の防止」でした。
簡単にまとめますと、からだの衰え、運動不足に絡んだ転倒が多く、心と体の健康づくりの重要性などが紹介されていました。
実習では、セミナー参加者は静的バランスや筋力、歩行能力、敏捷性のセルフチェックを実際に体験。
また、「運動機能低下を防ぐための運動実践とその展開方法」について、グループ討議も行われ、下記項目について積極的な話し合いが行われたようです。
・身体機能セルフチェック手法を職場で実施するには
・転倒災害につながるリスクを減らすためには
・運動機能低下を防ぐための運動を展開するには
取り入れよう職場運動
運動不足や運動能力低下による労災は、身体的なトレーニングで抑制、予防できる面もあります。
ただし、セルフチェックも運動も、はじめのうちは一人ではなかなか取り組みにくいですよね。
そこを、職場単位でサポートしていけると、上手に展開できるのではないでしょうか。
ちなみに、私たちドクタートラストでは14時30分頃から、毎日全社員でのラジオ体操が実施されています。
また、私自身は以前、運動健診センターで研修をしておりましたが、そこの職場では毎日9時から17時までの毎時0分に1分間、社員と列を作りオフィスを走るという取り組みがありました。
様々な運動の取り組みは、産業保健新聞でも公開しております。
仕事のやる気UP!職場運動効果
実は、昨年行われた第73回日本体力医学会にて、職場運動とワークエンゲイジメントとの関係として、職場運動を行っている人は、ワークエンゲイジメントが高いというデータも発表されています。
労災を予防し、体力も向上、やる気もアップする……!
職場に軽い運動に取り入れる動きが今後ますます活発化していくのではないでしょうか。
<参考>
厚生労働省「平成29年労働災害発生状況の分析等」:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11302000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Anzenka/0000209163.pdf
公益財団法人明治安田厚生事業団:https://www.my-zaidan.or.jp/health-watch/detail.php?id=b63d4787bdd923247936feac05f3ac41&tmp=1552753452