「やった!管理職に昇格だ!管理職手当をもらえるぞ!」
いつか私が昇進したとき、思わずそんな声を出してしまいそうです。
自身の姿勢や成績が認められ、昇格することは誰にとっても喜ばしいことでしょう。
ただし、管理職を名乗り、手当をもらう以上、管理職としての役割を理解し、果たさなければならないと思います。
管理職と管理監督者の違い
一般的に、管理職と聞いて思い浮かぶのは、“管理監督者”のことでしょう。
しかし、実は管理職=管理監督者ではありません。
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厚生労働省の通達によると、以下の3点の実態がなければ、管理監督者と判断されません。
○経営者と一体的な立場で仕事をしている
○出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
○その立場にふさわしい待遇がなされている
管理職の役割
よくいわれる管理職の3つの役割を紹介します。
①業務の企画・遂行・改善
自社・取引先・顧客等、利害関係者は常により良いサービスや業務を求めています。管理監督者は、それらの要望に応えるかたちで、これまでの業務をどのように改善していけばよいのかを考える役割があるでしょう。
②経営理念・ルールの浸透
会社には経営理念があり、それを体現することが会社の成長につながるでしょう。そのためには、まずは管理監督者が経営理念を理解し、実践のためにルールや規律を順守することが必要です。さらにそれを部下と共有し、チームとして理解・実践できるように導くことが求められると思います。
③部下の育成
人材の育成は会社にとって非常に重要です。いくら管理職が優秀なプレイヤーであったとしても、あくまで一人分の仕事量です。部下一人一人のパフォーマンスが上がれば、チーム全体としての仕事の質・量は間違いなく向上していくのではないでしょうか。
ただ、部下の性格や特徴は十人十色で、それぞれに合ったサポートをすることは容易ではないでしょう。部下をよく知り、どのステージにいるか、何を求めているのかを見極めることが必要だと思います。
私の考える管理監督者の役割
管理監督者は、指導者・管理者であり、労働者でもあります。求められる役割も多く、会社と部下の間で板挟みになったりと、非常に苦労の多いポジションだと思われます。そんななかでも私は、ほかの仕事を他者にまわしてでも「③部下の育成」を力を入れていただきたいと考えています。
チームの力というのは、やはり個人では到底かなわないものですし、何よりそれが会社全体としての”働きやすさ”につながると思うからです。
「管理職は部下に好かれる必要はない。しかし、人として尊敬はされなければならない」
これは人の上に立つ方が、必ず向き合うべきテーマであるようです。同じ指導を受けたとしても、その相手が尊敬できるか否かで受け止め方は変わります。「この人の下で働き続けたい」と思えれば、それは人材流出の抑制につながり、会社としても大きなメリットとなるでしょう。管理監督者には「部下の一番の味方であり、問題解決方法をともに考えていく人」であってほしいと私は思っています。
部下が伸び伸びと働けるような環境づくりやサポートができれば、仕事はより効率的に、より働きやすい職場に、ひいては会社の成長につながっていくのではないでしょうか。