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インセンティブ制度は何のため?
- 2018/12/25
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生産性や社員のやる気を上げるためにインセンティブ制度を導入している企業、特に営業インセンティブを導入している企業は、ご訪問させていただいているなかにも数多くあります。
インセンティブが逆効果になることも
インセンティブ制度についておもしろい研究があるのをご存知でしょうか?
用意するのは次の3つです。
・ろうそく
・マッチ
・画びょうが入った箱
これらを被験者に渡し、「テーブルに蝋が垂れないようにろうそくを壁に取り付けてください」と問題を出します。
先に答えを明かしてしまうと、「画びょうが入った箱」から画びょうを取り出し「空っぽの箱」としたうえで、これを「画びょうで」壁に取り付けます。
そして壁に取り付けられた箱をろうそく台として使うのが正解です。
研究ではこの問題を2つのグループに解いてもらいました。
一方のグループには「解答までの時間が上位25パーセントの人には5ドルを渡します。さらに一番の人には20ドルを渡します」と説明し、もう一方のグループには「このような問題を解くにあたっての一般的な平均時間を算出するためです」と説明します。
さて、結果は……。
実は、インセンティブを提示したグループのほうが、問題を解く平均時間がより多くかかったのです。
ポイントは、画びょうの箱を単なる入れ物とみるのではなく、ほかに流用するという発想です。
自分自身で考える作業が必要な仕事や、クリエイティブな能力が必要な仕事にはインセンティブのような外的動機づけが逆効果になってしまう場合もあるのです。
もちろん、インセンティブが有効な場合もあります。
前述のろうそくの問題の状況を少し変えた状態で実施をしました。
箱に画びょうを入れるのではなく、画びょうと箱を別々に用意した状態で、同じ2つのグループに行ってもらいます。
そうすると今度は、インセンティブを提示したグループのほうが、平均時間は短くなったのです。
2回目の問題では、画鋲と箱が別々に用意されているため、単純な作業を行うだけになります。
このような場合は、インセンティブがモチベーションアップに有効となります。
20%ルール
では単純作業ではないクリエイティブな仕事の場合どのようにモチベーションをアップさせればよいでしょうか?
その例として、Googleの20%ルールをご紹介します。
20%ルールは、業務時間の20%を「普段の業務とは異なる」業務にあてて良いという制度です
時間、タスク、チーム、使う技術、すべてに自主性が認められます。
すごく大きな裁量です。
20%ルールを通して、Gmail や AdSense などのサービスが生まれたとのこと。
この、やらなければならないではなく、やりたいからやるという動機の事を内的動機づけといいます。
インセンティブの目的は?
クリエイティブな仕事の場合は、従業員の自主性や仕事をしていて楽しい、やりたいと思わせることが大切になり、その仕事に対する興味、自身の成長や能力が活かせているという実感を持たせることが必要です。
そのためには従業員にも自主性や与え、仕事自体に興味を持ってもらえる努力をしていくことが求められるでしょう。