外国人の労働力は増えている
政府が進めている働き方改革や、ダイバーシティの浸透の成果もあり、ここ数年の外国人労働者数は以前にもまして増加の傾向にあります。
外国人労働者を雇用した際には、労働基準監督署へ届出ることが平成19年に義務化されており、その結果を厚生労働省が発表しています。
8年間で約2.3倍に
厚生労働省の発表によると、平成28年には108万人となっており、前年比で17万人強増えています。
届出義務化当初の平成20年が48万人ですから、8年間で約2.3倍も雇用が増えたということがわかります。
総務省統計局の資料によると、日本人の就労者数は、平成28年で6480万人ですから、労働者全体の1.5%程度が、外国人の労働者ということになります。
外国人労働力の受け入れ準備はできているか?
さて、外国人労働者の増加に伴い労働相談の窓口も整備されてきています。
現時点では、国をはじめ、24都道府県の労働局、及び全国の各自治体で、外国人労働者向けの相談窓口が設置されています。
自治体が運営する窓口の一つ、東京都産業労働局の報告には相談内容の特徴について次の記載があります。
【外国人関連の職場トラブルの特徴】
〈平成28年度の外国人労働相談の傾向〉
外国人関連の労働相談は、平成21年度以前は2,000件台で推移していたが、平成22 年度から平成24年度までは1,000件台となった。しかし、平成25年度からは再び2,000件台となった。平成27年度は前年度比で27.6%減少したが、平成28年度は2,597件となり、前年度比で44.4%増加した。 相談者の国籍は様々で、言語の違いによる意思疎通の問題、気質及び労働慣行等の 相違を発端としてトラブルとなっているケースが数多く見られる。
近年では、ビジネスのグローバル化や外国人の在留長期化等から、「労働者が日本人で、使用者が外国人」、「労使ともに外国人」「労働者(使用者)が海外に所在する」というケース等、様々なケースが見受けられる。
(引用元:東京都産業労働局HP「平成28年東京都の労働相談の状況」より抜粋 )
日本は1990年代から高齢社会に入り、人口に占める60才以上の割合は増え続けていますし、それに伴って、労働者人口については今後減少することが見込まれています。
その現状を踏まえると、外国人労働者の活用は、労働力を確保するという点で有効な手段の一つです。
外国人労働者活用に向けて
外国人労働者を雇用することは、東京都産業労働局の報告にもあるように、事業場内でこれまでにないトラブルを発生させる可能性もありますが、国も全国に相談窓口を設置するなど受入れの整備をすすめています。
労働力確保の観点から、外国人労働者の活用にむけて社内の環境を整えてみてはいかがでしょうか。