ストレスチェック業種別ランキングPart4「仕事のコントロール」
- 2017/11/1
- ストレスチェック
Part1、Part2では、ストレスチェックで判明した業種別「健康リスク」を発表しました。
前回Part3からは、「健康リスク」の根拠となったデータである「ストレス要因」を紹介しています。
ストレス要因は大きく分けて4つありますが、今回は「仕事のコントロール」を解説します。
最もコントロールしづらい業種は「医療・福祉」、次に「運輸」
「仕事のコントロール」をランキング化したものが「[仕事のコントロール]業種別ランキング」です。
「仕事のコントロール」とは、「職業性ストレス簡易調査票」中の次の3問に対する、従業員による回答結果を合算した値です。
8.自分のペースで仕事ができる
9.自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
10.職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる
すなわち、仕事をする際に個人がどれくらい仕事をコントロールできるか、または、してよいか、その自由度が問われており、コントロールが困難な業種ほど上位にランキングされています。
1位は「医療・福祉」6.9。2位は、少し開いて「運輸」7.3。
以降、「公務」「インフラ」「金融」という順でした。
「公務」「インフラ」も個人の裁量を活かしづらい
「医療・福祉」は、患者や利用者の状況をつぶさに見て、臨機応変に対応する仕事です。それゆえ、働く側が仕事の手順やペース配分を決めることは困難であり、また、人手不足の職場であればなおさら仕事のコントロールは難しくなるでしょう。
そうした事情から、上位にランクされたのだと考えられます。
「運輸」は、個々の労働者が働くエリアの交通事情が大きく影響しているかもしれません。昨今の貨物輸送、旅客輸送の増加による首都圏を中心とした道路渋滞等が業種のランキングを押し上げている可能性があります。
続く「公務」「インフラ」といった業種は、ゴールが明確で、やり方もあらかじめ定められている仕事が多いと想定されます。
そうだとすれば、個々人の仕事のコントロールが困難であることはうなづけます。
ランキングの最下位、つまり最も仕事のコントロールが効く業種は、郵便局員等の多い「郵便等」でした。[仕事の負担]ランキングも最下位でしたが、仕事の負担の少なさと自由度の高さは相関関係にあるといえるかもしれません。