今年のストレスチェック、準備を始めていますか?

初めての制度ということで、準備段階も、実施段階も、混乱した会社が多かったといわれるストレスチェック。
計画的に進めて、既に2回目の受検準備に入っている会社もある反面、
11月末に受検して、「個人結果を受け取ったばかり」という人も多いのではないでしょうか。

さて、今年はどうなるでしょうか?

やりっぱなしでは意味が無い

企業の定期健康診断で「コレステロール値」や「血糖値」が高いという結果が出た場合に
自身の食事を含めた生活全般を見直す必要があることは、誰もが知ることでしょう。
せっかく健康診断で注意すべきポイントを教えてくれているのに、何もしなければ悪化の一途を辿ります。
生活習慣病へまっしぐら! なんて事態は避けたいのが共通の思いではないでしょうか。

ストレスチェックも同じことです。

ストレスチェックは、受検した本人にしか結果が届きません。
受検者は結果を見て、自身のストレス状態を把握し、セルフケアに繋げる必要があります。

仕事の質や量、周囲のサポートなど、思い当たる節があれば、それに対して自分は何ができるかを考えましょう。
高ストレスではなくても、職場で感じていることや負担に思うことを、上司や同僚に相談し、労働環境を変える働きかけや、ストレスを溜め込みやすいポイントを知り、ストレスを回避したいものです。
自分で自分の心をケアすることを「セルフケア」と言います。

心のSOSをスルーして、心がすり減って疲弊してしまったり、離職を考える前に、
自分の受検結果を今一度見直して、セルフケアに努めてみませんか?
【厚生労働省・こころの耳】働く方へ https://kokoro.mhlw.go.jp/e-learning/selfcare/

集団分析で課題を見つける

ストレスチェックを実施した「実施者」から会社へ提供されるのは、「集団分析」のみとなります。

集団分析は、そのグループ(集団)の傾向を見ることです。
厚生労働省の形式では
・仕事の量的負担とコントロール
・職場における支援(上司、同僚)
これら2つが、決して安くはない費用をかけて実施した結果、会社が入手できる唯一のデータです。
人事労務部門の皆様、この結果をどう生かしていますか?

この分析は、受検者の主観に基づく回答から導き出されています。
使用者側の想定と受検者側の回答に大きな隔たりがあるとしたら、改善の余地があると言えるでしょう。

集団分析の最大の目的は、受検によって現れた「課題」に対して「改善」を行うことです。
その「課題」に取り組めば、翌年度以降の集団分析で結果として「改善」が見られるでしょう。
思うような成果が得られなかった場合は、取り組む方法や、視点が異なっていたとして、取組方法の軌道修正を検討しましょう。

集団分析は、経年変化に伴う改善状況を追うことに意味があります。
「課題」に対して適切な取り組みがなされていたか、
結果を急ぎ過ぎて、無理が生じなかったか、担当者の負荷が増していないか・・・
常に振り返りながら、徐々に改善していくことを目指しましょう。
【厚生労働省・こころの耳】職場改善マニュアル https://kokoro.mhlw.go.jp/manual/

ストレス値は毎年変わる

ストレスチェックの回答は“受検者の主観”によって大きく変わります。

「この設問はこのように解釈しなさい」
「“よくある”というのは、週に○回くらいを指します」
ストレスチェックには、そのような指標はありません。
受検者がその設問を見て、感じたままに選んだ回答が正しいのです。

ストレスチェックでは、他者と比較したり、具体的な頻度を元に回答欄を誘導しません。
“受検者本人はどう感じているのか”という視点で回答することを求めています。

受検者によっては、その年の働き方やポジションによって受け止め方が変わるかもしれませんが、
心の健康度を数値化できる機会は、他にありません。

去年と比較して今年の結果はどうだったのか、ぜひ比較してみましょう。

今年は何月に実施する?

ストレスチェックは、初回のみ2016年11月末迄と実施期限が定まっていましたが、
次年度からは「概ね1年に1回」となっています。

初年度は準備が間に合わず「何とか期限内に!」と慌てた会社も多いでしょう。
そのため、不本意ながら繁忙期に実施せざるを得なかった会社や、
十分な周知ができず、結果的に低い受検率となった会社もあるでしょう。

しかし、ストレスチェックの実施に必要な「社内規程」の作成は、前年度の実施前に済んでいます。

大きな変更がなければ、今年度の実施に向けて、衛生委員会で取り上げるべき議題もそれほど多くは無いでしょう。
既に1度実施していれば、前回よりは社内の準備や周知もスムーズかと思われます。

今年は何月頃に実施するのがベストなのかを検討して、準備を始めてはいかがでしょうか。

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