タバコを吸うと、血圧はどうなる?

今日は健康診断を前に、愛煙家の皆さんにプチ情報です。

血圧は、激しい運動をしたり、疲れやストレスがたまると上昇することは、ご存じだと思いますが、タバコとの関係はどうでしょうか。

喫煙直後には、血圧はどうなる?

タバコを吸うと血圧は……

① 変化しない
② 下がる
③ 上がる

血圧が喫煙による影響を受けないならば、喫煙直後でも血圧に変化は見られないはずですよね。
愛煙家にとって、喫煙行動は息抜きであり、リラックスやストレス解消の効果があるそうです。

リラックス・ストレス解消が出来るなら、血圧は下がっているのでは?
タバコって体に悪いっていうぐらいだから、血圧は上がるんじゃないの?

色々考えられますが、実際にタバコを吸ってみても、何の変化も感じていない方が大半ではないでしょうか。

では、タバコと血圧のクイズの答えを確認するために、このようなグラフをご紹介します。

これは、循環器病情報サービスのHPに記載されているグラフです。
<飲酒・喫煙と循環器病>

このグラフの示している内容は、一服のタバコで収縮期血圧(最高血圧)が110から130へ、心拍数が60回前後から80回前後まで、それぞれ上昇するということです。

ということで、先ほどの問題は ” タバコを吸うと血圧が③上がる ” が正解です。

なぜ喫煙で直後に血圧が上がるのか

では、喫煙によってなぜ血圧が上がるのでしょうか?

タバコには、4,000種類以上の化学物質が含まれています。
その中でも、血圧に影響を与える物質がニコチンです。
タバコを吸うと、ニコチンが交感神経系を刺激するために、血圧が上がり、脈拍が増えます。
一般に、タバコ吸うことで1分間の脈拍は15~25増加し、最高血圧で3~12mmHg、最低血圧で5~10mmHg上昇させるといわれています。
ということは、血圧測定直前にタバコを吸うと、最高血圧が130mmHgの人でも、140mmHg以上になり、高血圧を指摘される可能性もあるということです。

実は、健康診断を受診する直前にタバコを吸われる方は多くいます。
医療機関の施設内はもちろん禁煙なので、数時間タバコを吸えないと思うと「最後に1本」と思いがちですが、その1本が「高血圧」と判定される原因の可能性もあります。
ニコチンによる、血圧上昇作用は20分程度で正常に戻るといわれています。
健康診断を受診する30分以上前には、喫煙を控えるようにしましょう。

保健師アドバイス

1日に20回タバコを吸う人は、この血圧変動が20回繰り返されています。
血管にそれだけの負荷がかかり続けると動脈硬化の原因にもなります。
また、喫煙による動脈硬化のメカニズムとしては、直接血管内皮への収縮作用等の障害のほか、糖代謝障害、脂質代謝障害、凝固機能の亢進といったものが複合して動脈硬化を進行させることがわかっています。
一番よいのは、禁煙することだということも理解しておきましょう。

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