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インフルエンザ予防に腸内細菌が大活躍!
- 2020/1/28
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インフルエンザは毎年1月末~2月上旬に流行のピークを迎えます。
つまり、一切油断のできない時期が今なのです!
しっかりインフルエンザ予防を行いたいところですね。
対策には「マスクをする」「手洗いうがいを徹底する」以外にも、大事なポイントとして「腸内環境を整えること」があります。
腸内細菌がワクチン効果が高める
東京大学の研究チームは、腸の中に住んでいる細菌である「腸内細菌」が、インフルエンザワクチンの効果を高めるメカニズムを解明しました。
マウスによる研究で、栄養不足、温暖化による高気温等の環境下で、インフルエンザワクチンの免疫応答が低下することを見出したのです。
つまり、ダイエットなどの栄養不足、過度な高気温のもとでは、インフルエンザワクチンが本来の効果を発揮しにくい状態になるということです。
また、栄養不足になっているマウスに、免疫に必要な腸内細菌由来の成分とグルコース(エネルギーである糖分)を投与すると、低下していた免疫応答が部分的に回復することもわかりました。
以上のことから、ダイエット、不規則な食生活によるなどの栄養不足ではワクチンが本来持つインフルエンザウイルスをやっつける力が低下し、腸内細菌が作る成分が関与しているとわかります。
善玉菌を増やそう!
人の腸には1,000兆個以上の細菌が生息しており、その種類は大きく分けると以下の3つです。
1)善玉菌:体に良い働きをする(ビフィズス菌、乳酸菌など)
2)悪玉菌:体に悪い働き(ウエルシュ菌など)
3)日和見菌:善玉・悪玉菌の多い方に味方
腸内環境は、善玉菌を増やすことで良い環境に整えることができるとされています。
善玉菌は菌とえさで増やす!
腸内の善玉菌を増やすには、善玉菌を含むものと、善玉菌のえさとなるものを合わせて摂ることで、より効果を期待できます。
◎ 善玉菌を含むもの
主に発酵食品に多く含まれています。
・ ヨーグルト
・ 納豆
・ キムチ
・ チーズ
◎ 善玉菌のえさとなるもの
食物繊維やオリゴ糖に多く含まれています。
・ 野菜類(ごぼう、切り干し大根、たけのこなど)
・ イモ類(さといも、こんにゃくなど)
・ 海藻、キノコ類
・ 果物(バナナ)
また、善玉菌、および善玉菌のえさを摂取するとともに、代謝に必要なエネルギーを枯渇しないためにも3食しっかりとるということが重要です
インフルエンザにかからないために、手洗いうがいなどの予防と合わせ、食事面も見直してみましょう。
<参考文献>
一戸猛志、森山美優「腸内細菌叢がインフルエンザワクチンの効果を高めるメカニズムを解明~地球温暖化や食糧危機がワクチン効果に与える悪影響とは~」(東京大学)