あなたの首は大丈夫?ストレートネックにご注意

電子化が進む現代、年齢層を問わず、スマートフォンなどの電子端末は欠かせない時代になってきています。
お仕事柄、長時間デスクワークをしなければならないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も保健師業務をするようになってから、パソコンの使用機会が多くなってきました。
普段から姿勢に気を付けようと思っていても、やはり癖や習慣はなかなか治りにくく、気づかないうちに「ストレートネック」に近づいているかもしれません。

そもそもストレートネックってなに?

「ストレートネック」という言葉を耳にしたことはありますか?
英語圏では別名「テキストネック」ともいわれています。
日本ではまだ、あまり馴染みのない表現かと思いますがストレートネックとは、その文字通り、頸椎(けいつい)が歪み、ストレートになってしまうことをいいます。
※ 症状のことを表すため、病名ではありません。
人間の首には、重たい脳を支えたり、体のバランスを保つために、生理的湾曲という、カーブが脊椎にはあります。
しかし、うつむいた姿勢のまま、長時間のパソコン作業や、スマートフォン作業などを行うことで、本来ある頸椎の湾曲がなくなってしまいます。

症状は?悪化するとどうなるの?

症状の多くの場合が、肩こり、首の痛み、頭痛が自覚症状として、認識しやすい症状です。
頭の重さを首だけで支えきれないことで、肩や背中にまで負担がかかります。
そこから筋肉が緊張することで、血液循環の滞りがおこり、いわゆるコリとうい状態が起こります。
このコリの状態から神経を圧迫されることで、以下のような症状が出現することもあります。

●起こりやすい症状の例

・ 頭痛
・ 手がしびれる
・ 首の痛み
・ めまい
・ ふらつき
・ 吐き気
・ 二重顎

重症化すると
・ 頚椎症性脊髄症
・ 頸椎ヘルニア
・ 自律神経失調症
・ 頚椎症性神経根症
・ うつ

一見、内臓的な症状と違って、首の症状は、我慢しがちな方が多いかもしれません。
しかし、首には中枢神経といって、脳と同じ大事な神経が繋がっています。
抹消神経と違い一度神経が傷ついてしまうと、外科的治療を行っても健康な状態へ完全に復元するということは難しく、症状の進行も早いとされています。
大事な神経があるところだからこそ、首の症状を放置していては、ある日突然、手が挙がらなくなったということも起こりかねないので、注意が必要です。

自分の首を知ろう!

自分の状態を知るという意味でのご紹介です。
可能性が高いからストレートネックなんだと思うのではなく、自己の意識付けに繋げていただきたいと思います。

●壁を使ってセルフチェック●
平な壁に「かかと」「お尻」「肩甲骨」をつけます。
この状態で、後頭部が壁につかなければ、ストレートネックの可能性は高いです。
※ チェックの際は、顎を上げないことがポイントです。

治し方は?予防方法は?

ストレートネックのセルフチェック方法を前述しましたが、より確実な判断を得るためには、医療機関でのレントゲン撮影等の検査が必要となります。
現状では一度なったストレートネックを、自然に完治させることが難しいとされています。
ただし、セルフケアを行っていくことで、症状を軽減させることはできます。
また、自己でセルフケアを行っていくことで、予防にも繋がります。

●身近でできるセルフケア●
* 睡眠環境を整えよう
長い時間同じ体位でいることが多い、睡眠時の体位は注意が必要です。
高すぎる枕や低すぎる枕の使用は、首へ負担をかけてしまいます。
また、よくありがちな間違いは「枕に頭をのせる」だけの使い方です。
頭をのせるだけでは、首と枕との間に隙間ができてしまいますね。
この時点で、すでに首へは負担がかかってしまっています。頭を枕にのせるだけでなく、首からしっかり枕にのせて使用することが大事です。
自分にあった枕を選び、正しい枕の使い方をしていきましょう。

* 姿勢を見直していこう
普段の生活環境のなかでの自分の姿勢はどうでしょうか?
猫背や体に負担のかかる姿勢はしていませんか?
パソコン作業やスマートフォンの使用時に限らず、日常的に自分の姿勢に意識をするようにしましょう。心の中で、「姿勢に気をつけるんだった」と思うことで、少しでも正しい姿勢を習慣づけていくことがきます。
正しい姿勢を身につけることで、症状の緩和や予防だけでなく、モチベーションの変化にも繋がります!

* コリの状態ができるのを防ぐ
コリの状態を作らないようにするためには、血液循環を良くすることも必要です。
毎日誰かにマッサージしてもらえると嬉しいですが、それは現実的ではありませんよね。
ストレッチや運動で体を動かし、血液循環をよくしていくことも身近な方法です。
無理に激しい運動をするのではなく、一日数分間ストレッチをする、肩を回す、背伸びをする、そんな身近なことから始めてみるのもよいでしょう。
自分に負担にならなず、継続できることを探すことが大切ですよ!

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