社長が衛生委員会に参加、していいの?

契約先企業のご担当者様から、「社長が衛生委員会に参加したいと言っている……。参加させていいのか?」とご相談をいただきました。
社長が衛生委員会に参加、みなさんはどう思われますか?

参加は可能だが、注意点も

回答としてはもちろんOKです。
ただ参加の形式としては、労働基準監督署に確認をとったところ、「議長や委員ではなく、オブザーバーとして参加」するのが望ましいとの回答がありました。
さらに、社長という立場上、議長が望ましいのでは? と確認を取りました。
すると、衛生委員会のメンバーは「事業者が指名する者」と定められているため、社長が委員となると「自分で自分を指名する」ことになり、矛盾が生じることになるとのこと。
あくまで委員の方々が話合う様子を見守る参加が望ましいようです。

社長が委員会に参加することでのメリットもあり!

先日お会いした労働衛生コンサルタントの先生が「衛生委員会の活性化」について、「社長(決裁者)を参加させる」ことのメリットをお話されていました。
理由は下記のとおりです。

① 決裁者が参加することで、委員会の決定事項がどんどん実行される。
② 実行され成果がでることで、ほかの委員のモチベーションもアップする。
③ さらなる活性化につながる!

非常に理想的な雰囲気で、委員会を中心に、どんどん企業の健康意識が高まる風景がイメージされますね!
逆に決定事項が何も実行されない委員会は、委員のモチベーションは下がる一方。
「どうせ話しても何も変わらない」と、活性化とは真逆の方向に進むことになるそうです……。

しかしデメリットも……

他の産業医の先生からは、逆のケースをお聞きする事もありました。

「社長が参加すると、委縮して誰も発言ができない(産業医も)」

確かにこのケースも少なくはなさそうです。
冒頭のご相談をいただいたご担当者は、この点を懸念されてのご相談だったのかもしれません。
健康経営がクローズアップされている現代、衛生委員会での審議もその重要性を増しています。
そこに加わりたいという社長のお考えは大変素晴らしいです!
しかし、参加に際しては他の委員の審議の弊害となることがないような配慮が必要かもしれませんね。
健康経営においては、まずトップのメッセージを発信することが重要だといわれています。
社長自ら、社員の健康に対する明確なメッセージを発表し、それを展開するために衛生員会に参加する……という流れが最もいいのかもしれません。

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