以前、受動喫煙対策の強化について藤吉が記事にしていますが、今回新たな展開がありました。
厚生労働省が2017年3月1日に公表した受動喫煙対策の新たな規制強化案
2016年、東京五輪・パラリンピックに向けて「建物内禁煙」等の強化案が公表されていますが、今回は違反喫煙者に30万円、また、施設管理者は50万円以下の過料という規定案が公表されました。
「飲食店は原則禁煙」とし、事業者が喫煙の禁止場所に灰皿を設置し、行政指導を受けても撤去しなかった場合などに、過料が科せられます。
例外として、延べ床面積が30平方メートル以下の、主にお酒を提供する小規模な店が規制対象から外れます。
ただし、こちらは換気などを行うことが条件となっています。
これは、今日まで受動喫煙対策が罰則のない努力義務だった日本に対し、WHO(世界保健機関)から「世界でも最低レベル」との批判を受けたことによることと、ご存知の通り東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙に対する規制を強化しようという動きです。
政府は2019年秋に開催されるラグビーワールドカップまでの施行を目指しています。
しかし日本フードサービス協会はこの規制案の公表を受けて一律の規制には反対する意向を強く示しています。
喫煙、分煙、禁煙を顧客側が選べるようにすればよいという考えからです。
また喫煙室があり、分煙できていれば「建物内禁煙」はしなくてもよいと考える方はいるとは思いますが、日本医師会などは喫煙室を設置しても受動喫煙は防げないとしています。
受動喫煙を防ぎにくい理由
- 喫煙室の出入りに際し、必ずたばこの煙が漏れるため
- 喫煙室の掃除や機器のメンテナンスを行う労働者が濃厚な受動喫煙にさらされるため
- たばこの煙だけでなく、喫煙者の服や髪についている残留物にも有害物質が多く含まれるため
特に3の残留物の吸引による受動喫煙被害を三次喫煙といい、これがとても危険であることが近年わかってきました。
三次喫煙とは
三次喫煙はアメリカの国立がん研究所が作り出した新語で、たばこの煙により衣服や壁などに付着した有害物質を吸入してしまうことをいいます。
部屋の壁や衣服に残留したたばこのニコチンは空気中の亜硝酸と反応し、最も強力な発がん物質のニトロソアミンがつくられてしまうのです。
また、残留した有害物質は、空気と反応するので時間が経過するごとに有毒性が増していきます。
そして、分煙しても、屋内完全禁煙にしても、喫煙者がそばにいるだけで発がん物質を吸い込んでいる状態になるので、防ぎようがないのです。
下記に受動喫煙についての詳しい資料がありますので、ぜひご覧になってください。