36(サブロク)協定とは何か?

9月上旬、政府が「36協定」の運用について見直しをする検討に入ったとマスコミ各社より報道がありました。
長時間の時間外労働について問題視されるようになってきましたが、「36協定」とどのような関係があるかを簡単に説明いたします。

労働時間には上限がある

読者のみなさまは、労働時間の上限が定められていることをご存知でしょうか?

●使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
●使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
●使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

上記内容は、労働基準法に明記されています。
1分でも残業をさせてしまうと、たちまち法令違反になります。そこで残業や休日勤務に関して労使で協定を結ぶことにより事実上残業が可能になります。
それが労働基準法第36条に規定されていることから『36(サブロク)協定』と呼ばれています。

「36協定」を労使間で結ぶと1ヶ月あたりでは45時間を限度として、時間外労働が可能となります。
さらに、「36協定」の限度時間を超えて時間外労働が予想される場合、予め「特別条項付き協定」を結べば、限度時間を超える残業が可能となります!

<時間外労働の限度に関する基準 厚生労働省のリーフレット>
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-4.pdf

特別条項を適用すると、1ヶ月あたり100時間以上の時間外労働をさせることが、事実上可能となるのです。

36協定見直しが始まった

日本政府は9月2日午前に働き方改革に取り組む「働き方改革実現推進室」を内閣官房に設置しました。
今後、「働き方改革」の目玉の一つとして、36協定の見直しが行われる予定になっており、来年2月~3月あたりに具体策を打ち出す見通しです。

時間外労働に上限が設けられると、「過労死」を未然に防ぐことに繋がり、労働者にとっては良いことのように思えますが、一方で残業手当の減少で家計が厳しくなったり、人材不足がより深刻化するなどの問題点が出てくるとも予想されています。

全ての労働者にとって、目が離せない内容です。

今後の進捗に注目していきましょう。

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