健康【コラム】

女性に多い!?バセドウ病とは?

女性に多い⁉バセドウ病とは?

定期健診で肝機能異常があり、精密検査をしたらバセドウ病と言われました。
一体どんな病気なのでしょうか。

働く人の定期健診における肝機能異常は飲酒によるものや、脂肪肝によるものが大多数を占めますが、まれにバセドウ病等の甲状腺疾患により起こることがあります。バセドウ病とは自己免疫により、代謝機能を司る甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、心身の症状を呈するものを指します。今回はこのバセドウ病について、詳しく説明します。

バセドウ病とは

バセドウ病とは前述のように、われわれの喉元にある器官である「甲状腺」に異常が生じ、甲状腺が分泌する「甲状腺ホルモン」が過剰になることによって生じる病気です。

甲状腺は、脳からの指令によって、私達の代謝をつかさどる甲状腺ホルモンを産生、分泌しています。
甲状腺ホルモンが増えると、代謝が亢進し、心拍数増加や動悸、手の震え、発汗増加、体重減少、疲れやすさ、眼球突出、イライラ感などの精神的症状を呈することがわかっています。
徐々に症状が進んだようなケースでは、自分で異変に気づけなかったり、「疲れやすくなった」とは思いつつも原因がわからず我慢してしまうケースも少なくありません。
甲状腺ホルモンが過剰になってしまう原因としては、甲状腺に対して自己抗体が作られてしまうことが知られています。

つまり、自分の身体を標的として免疫反応が起きてしまう(=自己免疫)のです。
この刺激により、甲状腺ホルモンの過剰分泌が起きます。自己免疫反応が起こってしまう原因はわかっていませんが、遺伝、ウィルス感染、強いストレス、妊娠・出産がきっかけになるのではないかと考えられています。
定期健診では、血液検査での肝機能異常の他、医師診察時に触診で甲状腺肥大がわかり、病気が判明することもあります。
男性にくらべ、若年女性に多く、筆者も担当していた若手女性社員から数名甲状腺疾患が判明した経験があります(きっかけは肝機能異常でした)。

バセドウ病の検査・治療

肝機能異常や、「動悸がする」などの自覚症状がみられ、甲状腺疾患が疑われると、医師が血液検査にて甲状腺ホルモンの値をチェックします。
この血液検査で、甲状腺ホルモンが高いということがわかれば、問診、診察(視触診)、超音波検査等の情報を総合してバセドウ病と診断されます。

バセドウ病の治療は薬物療法、放射性ヨウ素内用療法、手術の3つの治療法があります。
薬物療法や放射性ヨウ素内用療法が効いて、服薬なしの経過観察に移行できる人もいますが、効果が低い・副作用がある人などは手術に移行する可能性があります。
ただし、最も一般的な薬物治療の場合、最短で2年程度かかると言われており、長期間付き合う必要のある病気です。
治療方針は、症状と甲状腺ホルモン値の推移を見ながら医師が決定します。

生活上の注意

若年女性に多いということもあり、特に問題なのは、妊娠時の服薬管理です。
できれば、非妊娠時からきちんと受診をして疾病コントロールをすること。
やむなく、妊娠・出産時に服薬が必要な場合は主治医の指示のもと経過をみていくことが重要です。
肝機能異常には、肝臓自体の異常のみならず、甲状腺等、他の臓器の異常がわかることもあるため、精密検査をきちんと受診することが大切です!
「何となくだるい」、「体重が減ってきた」、「汗をかきやすい」、「指が震える」などの背景にバセドウ病があるかもしれません。
心配な方はぜひ受診いただきたいと思います。

<参考>
・ 一般社団法人日本内分泌学会「バセドウ病」
・ 一般社団法人日本甲状腺学会「これから妊娠されるバセドウ病の患者さんへ」

ABOUT ME
【保健師】南 未来
学生時代より予防医療やメンタルヘルス支援に興味を持ち、大学院で産業保健(Presenteeism)の研究をしました。大企業での産業保健師を経て、海外にて専業主婦、行政保健師、中企業の保健師も経験してきました。保健師として、会社組織や個人が自立して健康を構築していけるように、エンパワメントの視点を忘れずに支援していきたいと思います。また、女性として、親として、妻として、ワークライフバランスやダイバーシティについても発信していきたいです。 【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、精神保健福祉士、両立支援コーディネーター