先日、同僚の若い男性が職場で動けなくなり救急車で運ばれました。原因は尿路結石だったとのことです。若い人でも尿路結石のリスクがあるのですか?
年齢関係なく、若い世代の方も起こる可能性のある病気です。
尿路結石は、中年男性に起こりやすい病気のイメージがあるかもしれません。
しかし、最近は女性や20代でも結石が見つかるケースも増えています。
悪化すると激痛で動けなくなるという尿路結石の原因と予防ポイントを解説します。
「激しい腰痛」ぎっくり腰だと思った
尿路結石の経験者によると、始めに背中と腰の辺りに激しい痛みを感じたため、ぎっくり腰だと思ったそうです。
尿路結石の症状は疝痛(せんつう)発作といって、急な腰痛、腹痛で発症することが多く、冷汗が出て吐き気がしたり、顔面蒼白となります。
「結石の痛みはお産の次に痛い」と言われるほどです。
ただし、いつも激しい痛みとは限らず、筋肉痛のような痛みや背中の違和感を覚える程度のこともあります。
また、健康診断などで血尿が出て発覚することもあります。
なぜこのような症状が起きるかというと、尿の通り道である腎臓や尿管のことを尿路と言いますが、体の背中側にあるこの尿路に結石ができることで、結石と尿路の粘膜が擦れるからです。
どんな場合に尿路結石になりやすい?
季節的には、夏場は特によく汗をかくので体の水分が奪われがちになるため、水分不足になり結石ができやすくなります。
また、体質・遺伝的な要因もありますが、生活習慣が大きく影響しており、以下のような生活習慣が尿路結石の原因として挙げられます。
- 肥満傾向、運動不足
- 脂肪の取り過ぎ
- カルシウムや牛乳の摂取不足
- 野菜・海藻類の摂取不足
- 甘味飲料・清涼飲料水を多く飲む
- 夕食中心の食生活、夕食から就寝までの時間が短い
予防のポイントは3つ!
以下では尿路結石の予防ポイントを3つご紹介します。
① 一番大切なのは水分補給
結石をできにくくするため、水分を多く取ることがとても大切です。
特に夏など汗をかきやすい季節はこまめな水分補給を心がけましょう。
水分とは、甘い炭酸飲料やアルコールではなく、水やお茶のことです。
1日のうちに1杯も水やお茶を飲まない方は、1杯からでも飲むように意識しましょう。
また、睡眠中にも体の水分は少しずつ奪われていくので、就寝前にコップ1杯の水を飲むことが結石の予防につながります。
② カルシウムを取る
尿路結石はシュウ酸という物質が腎臓で結晶化することで生じます。
カルシウムは腸内でシュウ酸と結合して便に排出してくれるので、シュウ酸の吸収を抑えてくれます。
カルシウムは、乳製品、魚介類、大豆製品、野菜類に多く含まれています。骨を強くしてくれる働きもありますので、ぜひ積極的に食事に取り入れてみてください。
③ 生活習慣病の予防を心がける
前記の通り、体にとってあまり良くないとされる生活習慣を続けていると尿路結石のリスクも高くなります。
特に肥満は万病の元ですので、BMIが25以上の方は、まず体重の3%減らす(体重70kgの場合-2.1kg)ことから意識してみましょう。
尿路結石は一度罹患してしまうと再発のリスクが高い病気です。
何も意識せず生活していると80%~90%の方が再発するともいわれています。
毎日の生活習慣や食生活を見直し、尿路結石を予防しましょう。
