社員より、新型コロナウイルスの濃厚接触者になったかもしれないと連絡を受けました。
保健所に報告しましたが、その後、先方からの連絡がなく困っています。
会社としてどのような対応をすればよいでしょうか。
社員の方によく聞き取りを行っていただいた上で濃厚接触が疑われた場合、まずは感染を広げないために濃厚接触があったと思われる日から14日間の自宅待機をしてもらいましょう。
最近、ドクタートラストでもこのようなお問い合わせを受けることが多くなっています。
新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者と考えられる社員が出た場合は、基本的に保健所の指示に従って対応することとなりますが、現在、保健所の業務ひっ迫軽減のため、濃厚接触者の追跡調査の範囲を縮小している自治体が増えています。
保健所の指示を待たずに対応できるよう、濃厚接触者と思われる社員が発生したときの対応の流れを整理してお伝えします。
2週間の自宅待機と健康観察
濃厚接触者とは、陽性者と感染可能期間(発症の2日前以降)に、マスクをせずに会話や飲食、喫煙などを共にした人です。
目安としての距離は1m以内、時間は15分以上です。
特に、マスクを外して過ごす家族(同居者)は、濃厚接触者に当てはまることが多くなります。
保健所に濃厚接触者と判断されずとも、その可能性のある社員が発生した場合は、感染の拡大を防ぐために、まず14日間の自宅待機を指示しましょう。
これは、新型コロナウイルスの潜伏期間が最大14日間程あるためです。
自宅待機期間は、毎日の検温、健康状態のチェックをするとともに、不要不急の外出はできる限り控え、やむを得ず移動する際は公共交通機関の利用は避けるようにしましょう。
PCR検査は必ず必要?
濃厚接触者に対して会社として強制する必要はありませんが、無症状で感染している可能性もあるため、必要に応じてPCR検査を受けてもらいましょう。
この場合、検査を実施する時期が早すぎると正しい結果が出ないことがあるので、濃厚接触があったと思われる日から5日程経ったタイミングで検査を受けるようにしましょう。
これは、新型コロナウイルスの潜伏期間が2~14日で、平均が約5日だからです。
検査の受け方として、民間の検査センターや医療機関を受診するのもよいですが、なるべく外出の機会を減らすために郵送の検査キットの利用をお勧めします。
PCR検査で陰性となった場合も、変わらず14日間の自宅待機をしていただくことになります。
自社でのルールを決めておく
保健所のサポートが希薄化している状況の中、自社でPCR検査キットを購入し、体調不良者や濃厚接触者が出た時に利用しているという企業も増えています。
社内で感染者や濃厚接触者が発生した際に、周囲の社員への対応はどうしたらいいのか、該当者にはどのくらい休んでもらう必要があるのか、その場合の休暇制度はどうするのか、検査の費用は誰が負担するのかなど、考えなくてはならないことが多く出てきます。
もしもの場合に焦らず対応できるよう、社内での対応フローなどを決めておくことをお勧めします。
<参考>
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」
