健康【コラム】

歯周病で歯がなくなるかも?毎日の歯磨きで予防していきましょう

歯周病予防とテレビCMで聞きますが、「歯周病」がどんな病気か想像つきません。
また、予防するうえではどういったことに気を付けたらいいのですか?

毎日、歯間ブラシやデンタルフロスも活用しながらすべての歯を丁寧に歯ブラシで磨くことに気を付けていただきたいです。
なお、歯を失う人の大多数は歯周病と虫歯によるものです。
そのため、歯周病はみなさんに注意していただきたい病気です!

歯周病とはどんな病気?

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患であり、歯の周りの歯ぐきや歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

歯周病の初期段階では、歯ぐきが赤くなったり、腫れたりしますが痛みがあまりないことが多いので気付きにくいです。悪化してしまうと膿がでたり歯が動いたりします。

自分自身で歯の異常に気付いたときには歯を抜かなければならないぐらい悪化している怖い病気です。

歯周病の原因は歯周病原菌

歯周病には歯周病原菌といわれる数十種類の細菌が関わっていると考えられています。
十分歯磨きができていないと、歯の周りにつく汚れであるプラークや歯石が歯と歯ぐきの境目に繁殖していきます。

なお、歯に付着した細菌が繁殖したかたまりのことをプラークといい、歯石はプラークが石灰化して硬くなったものです。(※歯垢のことをプラークといい、今回の記事ではプラークと統一して表記します)。

以下の方は歯周病のリスクが高いので、特に注意が必要です。

・45歳以上の方
・喫煙者
・糖尿病
・妊娠中
・銀歯などの金属のかぶせものがある方

歯周病のセルフチェックをしてみよう

鏡を見て自分の歯を確認しながら、思い当たる症状をチェックしてみてください。

□ 朝起きたら口の中がネバネバする
□ 歯磨きの時に出血する
□ 硬いものが噛みにくい
□ 自分の口臭が気になる
□ 歯肉がときどき腫れる
□ 歯肉が下がり、歯と歯の間に隙間ができてきた
□ 歯がグラグラする

いくつチェックがつきましたか?

上記でチェックが多いほど、歯周病の可能性があります。

早めに受診し、検査を受けることをおすすめします。

チェックが少ない、またはない場合でも無症状で歯周病が進行することがありますので、

少なくとも1年に1回は歯科検診を受けましょう。

歯周病の予防方法と歯ブラシの選び方

歯周病は予防できます。

原因となるプラークの付着を予防するためには、「毎日の丁寧な歯磨き」が大切です。

鏡を見ながら、力を入れすぎず、小刻みにブラシを動かしながら磨き残しがないように歯を磨きましょう。プラークが2~3日経過すると、歯石になってしまい、自分で取り除くことが難しくなります。
そのため、毎食後の歯磨きが望ましいですが、難しい場合は毎日1回は丁寧に歯磨きをすることが大切です。

プラークは毎日丁寧に歯磨きをすれば取り除くことができます。
ただし、歯間に付着したプラークは歯磨きだけでは取り除きにくいため、歯磨きだけではなく、なるべく毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使うことが大切です。

歯ブラシの正しい選び方

歯ブラシは多数販売されているので、どれを選べばいいか悩まれていませんか?

歯ブラシの大きさは口の中で動かしやすいように小さめのものがいいでしょう。

ブラシの大きさの目安としては上の前歯2本分か下の前歯4本分の物がいいとされています。
歯ブラシの毛の硬さはかため、ふつう、やわらかめと表示されている中では、ふつうの硬さを選ぶのがおすすめです。

(公益社団法人 東京都歯科医師会 歯とお口のお話 https://www.tokyo-da.org/lectureより)

歯の健康のために

毎日の歯磨きはもちろん、禁煙をすることや、糖尿病と診断された人は血糖コントロールを行っていくことも歯にとっても大切なことになります。

歯周病予防はまだ早い、と思っている若い人もこれを機会に自分の歯磨きを見直してみてください。

参考
・ 厚生労働省「歯周疾患の症状・原因・進行
・ 厚生労働省「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック
・ 公益社団法人東京都歯科医師会「歯とお口のお話

ABOUT ME
【保健師】中森 チカ
看護師として病棟勤務を経て、地域の保健師として高齢者の総合相談に携わりました。生活習慣病の予防や健康寿命の延長のためには病気になる前からの習慣づけが重要であると思い、現在は産業保健師として働いています。 今までの経験を活かして、わかりやすく、実践しやすい情報をお届けします。 【保有資格】看護師、保健師