ピロリ菌検査が会社の補助で受けられます。
ピロリ菌の検査ってなぜ必要なのですか?
ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍などの病気の発生原因となるため、病気の予防のために必要な検査になります!
春になり、健康診断を行う企業も増えてきたのではないでしょうか。
ピロリ菌検査は会社の補助や人間ドックのオプション項目で受診できることも多いと思います。
ピロリ菌とは「ヘリコバクター・ピロリ」のことで、胃の中に感染して胃炎を引き起こし、胃がんのほか胃粘膜の慢性炎症、萎縮性胃炎、十二指腸潰瘍、胃痛、胃MALTリンパ腫などの病気の原因となることもあります。
ピロリ菌は、以前は井戸水などの生活用水から感染することが多かったのですが、衛生環境が整っている現在では幼少期にピロリ菌に感染している保護者から食べ物の口移しによる感染が多いといわれています。
ピロリ菌検査がなぜ必要か?
ずばり、胃がんの予防のためです。
ピロリ菌に感染していることで胃がんのリスクは約5倍といわれています。
ですから、ピロリ菌検査を行い、結果によってピロリ菌の治療を行うことで胃がんの予防につながります。
ピロリ菌検査ってどんな検査?
ピロリ菌検査で測定する検査はいくつかあり、以下に簡単に説明していきます。
健康診断の実施機関ではどの検査が当てはまるのかを確認してみてください。
①呼気検査(尿素呼気試験法)
検査前に薬を飲み、紙袋に息を吹き込む検査です。もっとも制度の高い検査といわれ、身体の負担も少ないです。
②採血検査・尿検査(IgG抗体検査)
ピロリ菌が胃で感染すると抗体ができます。この抗体の有無を調べるため、採血検査や尿検査を行います。
③便検査(糞便中抗原測定)
検便での検査です。ピロリ菌が胃で感染すると抗原が作られるため、便の中にも抗原が含まれるので、便に抗原がないか調べる検査です。
④胃カメラ検査(内視鏡検査)
胃カメラで胃粘膜や組織の一部を採取して調べる検査です。迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法があります。
ピロリ菌の検査で陽性。その後どうすればいい?
ピロリ菌検査が陽性になった場合、ピロリ菌の除菌が必要になってきます。
ピロリ菌の除菌を行うことで、胃・十二指腸潰瘍の再発予防や胃がんの発生が約3分の1に抑制され、胃がんによる死亡者が減少する可能性が高まります。
医療費においては、薬4,100億円の費用削減効果があるといわれています。
ただ、ピロリ菌検査で陽性になった場合だけでの除菌は健康保険の適応にならず、自費になってしまいます。
健康保険の適応となるには、胃カメラ(内視鏡検査)で胃炎状態かどうか確認ができたら、保険適応でピロリ菌の除菌治療を受けられます。
ピロリ菌の除菌治療について
ピロリ菌の除菌では3種類の薬(胃酸の分泌を抑える薬と抗生物質2種類)を7日間飲み続けることで約8割の人が除菌されることがわかっています。
除菌後4週以降に再度検査を行い、除菌できていなかった場合は、再度薬を変えて除菌を行います。
除菌をしたから胃がんにならなくなる、ことではなく”リスクが減る”ということです。
胃がんの予防のために除菌に加えて減塩、禁煙に気を付けるなどの生活習慣を整えることも大切になります。
いきいき長く働くためにも、ほかの健康診断の結果と同様、どのような検査か知ることや自分の検査結果を確認して生活に活かしていきましょう!
参照:
日本消化器病学会ガイドライン
日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会「H.pylori 感染の診断と治療のガイドライン」
