ほうれん草って、生で食べても良いですか?
ほうれん草の生食は控えましょう。
栄養豊富な緑黄色野菜のひとつ、ほうれん草。ビタミンも豊富なので、積極的に取り入れたいですよね。
ただ、ほうれん草には「シュウ酸」という成分が多く含まれているので、生食はおすすめできません。
ほうれん草、あなたの食生活にどのくらい身近ですか?
1人が、1年間にどのくらいほうれん草を食べているのかを調査した結果によると、全国平均は、2.92束(1束約250g)となっています。
多い地域では4.92束、少ない地域では1.6束程度です。
ほうれん草のおひたしの小鉢がだいたい60gくらいなので、多い地域では、月2回程度、ほうれん草のおひたしを食べている感じでしょうか。
また、日本人における野菜の摂取量ランキングでほうれん草は第6位です。(国民健康・栄養調査より)
ほうれん草の栄養価としては、鉄分、ビタミンCが多く含まれていて、旬である冬にはビタミンCがより多くなります。
ビタミンCは鉄分と一緒に摂取すると吸収が良くなるので、その点に関してもとても効率が良いといえます。
その他にも、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、などビタミン類も多く含み、さらに葉酸、食物繊維も豊富なので、非常に栄養価の高い野菜だといえるでしょう。
廃棄する部分が少なく、洋風ならグラタンやパスタ、和風ならおひたしや胡麻和え、中華ならラーメンのトッピングにとさまざまな料理に合うため、積極的に取り入れやすい野菜ですよね。
最近では、ほうれん草は冷凍食品としても販売されており、少しだけ使いたい時やすぐに使いたい時にもとても便利です。
生食は何が問題?
良いところがたくさんあるほうれん草ですが、食べ方には注意が必要です。
ほうれん草には、シュウ酸が多く含まれています。
シュウ酸は、ほうれん草の他にもタケノコにも多く含まれています。
ただ、タケノコは、よくスーパーで見かける水煮タイプのものは既に茹でてあるので、シュウ酸はかなり少なくなっています。(シュウ酸は水に溶け出る性質があるため)
その他の野菜(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス)にも含まれていますが、ほうれん草の半分程度です。(100gあたり含有量)
なぜシュウ酸の摂り過ぎは良くないの?
シュウ酸はいわゆるアクの成分です。
人体にとっては、栄養素というよりも老廃物ということです。
体内でも最終代謝産物として、シュウ酸が産出されますが、微量なものになります。
70%は食事由来と考えられており、病的な問題になるような摂り過ぎは、食事からの摂取が原因となります。
また、シュウ酸の摂り過ぎは、結石の原因となるので、注意が必要です。
シュウ酸は、腸から吸収されたあとに腎臓でカルシウムと結合し、結石の元の成分である結晶になります。
そして腎臓から尿管、膀胱、尿道という尿の通り道(尿路)にできるため、総称して「尿路結石」といいます。
【尿路結石の症状】
- 痛み
結石が腎臓にある時はほとんど痛みは出ませんが、細い尿管へ移動すると突然激痛を発するようになります。 - 違和感
尿がスムーズに流れなくなるため、排尿後も残尿感があることがあります。 - 血尿
結石が尿管などの壁を傷つけると、血尿が出ることもあります。
これらの症状から日常生活や社会生活に支障をきたしかねません。
また、痛みがいつ起こるかわからないので、日常生活でも常に不安を抱えることになります。
尿路結石ができるのは男性のほうが多く、男女比はおよそ2:1とされています。
その理由としては、男性ホルモンが結石の成分となるシュウ酸を増やすためと考えられています。
どうしたらほうれん草を安心して食べられる?
☆ゆでてシュウ酸を減らす
シュウ酸はゆでると水に溶け出る性質があるので、ほうれん草はゆでてから摂取するようにしましょう。
☆食べ合わせを工夫する
カルシウムと一緒に摂取しましょう。
シュウ酸が吸収される前にカルシウムを結合させてしまうことで、シュウ酸自体の吸収を抑制することができます。
鰹節にはカルシウムが含まれるので、ほうれん草のおひたしに鰹節をかけることは理にかなっていますね!
