子宮頸がん検診の受診クーポン券が自治体から届きました。
20代でまだ若いのに、がん検診を受ける必要があるのですか?
子宮頸がんは、若い世代が多くかかるがんで、20歳代後半から増え始めます。
がんは若い頃にはならないというイメージを持ちがちですが、20歳になったら子宮頸がん検診を受け始めましょう。
子宮にできるがんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2つがあります。
同じ子宮にできるがんですが、この2つは好発年齢や原因などが異なるため、まったく違うがんと言えます。
今回お話する子宮頸がんとは、子宮の入り口付近(子宮頸部)にできるがんで、前20歳代後半から増え始め、30歳代後半から40歳代で最も多くなります。
また、全女性のがんの死亡原因で一番多いのは乳がんですが、20~30代の若い女性に絞ってみると、死亡原因の第1位は子宮頸がんです。毎年約1万人がかかり、このうち約3,000人の方が命を落としています。
さらに、罹患数は近年増加の傾向にあり、まさに働き盛りの世代に脅威となるがんといえますよね。
出産や子育てをする時期の女性がかかることから、「マザーキラー」の別名もあり、この年代の女性にとっては非常に深刻な問題です。
子宮頸がんの原因はウイルス!体質や遺伝ではありません
子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスで、主に性交渉によって感染します。
性交渉の経験がある女性の約80%は生涯に一度はHPVに感染しているといわれています。
とはいえ、たとえ感染しても9割の女性は、自分自身の持つ免疫力でHPVを追い出してしまうので、むやみに怖がる必要はありません。
しかし、たとえば子宮頸部に傷があったり、免疫機能が低下しているなどの場合で、残りの1割の人はHPVが体内に残り、そのまま感染が持続してしまいます。
そのうちの一部が数年から十数年かけて徐々に、がんの前段階である異形成という状態を経て、子宮頸がんに進行します。
一部で、子宮頸がんにかかる女性に対して、性交経験が早い、男性経験が豊富といった声を聞くこともありますが、性交経験が一度でもある女性なら誰もがかかる可能性のある病気ですので、そのような偏見を持つのはやめましょう。
そして、妊娠を希望していない場合は、性交時に必ずコンドームを使用しましょう。
100%の予防まではできませんが、コンドームを使用することでHPV感染のリスクが下がり、他の性感染症の予防にもなります。
子宮頸がんは早期発見ができるがん
子宮頸がんは初期症状がほぼありませんが、子宮の入り口にできるため、検診で見つかりやすいがんです。
そのため、定期的な検診を受けることがとても重要です。
HPVに感染してからがんになるまでの期間は、5~10年以上といわれています。
定期的に検診を受けていれば、がんの一歩手前である異形成の状態で発見できることが多く、その後の経過観察や負担の少ない治療で済むことが多いです。
また、がんに進行しても初期の段階で見つけられれば、子宮頸部の一部を切除するだけで、子宮を残せるので妊娠・出産をすることもできます。
2年に1度は必ず検診を受けましょう
子宮頸がん検診は、国の方針で20歳以上の女性は2年に1度受診することが推奨されています。
受診方法は2つ、「職域検診」と「市区町村のがん検診」があります。
働いている人の場合は、職場の年1回の定期健康診断や人間ドックで、子宮頸がん検診も一緒に受けられる場合があります。
会社あるいは健康保険組合が費用の助成をしていることも多いので、積極的に活用しましょう。
職場によってはがん検診を実施していないこともありますので、その場合には市区町村のがん検診を利用しましょう。
市区町村で受ける場合、助成費用や受診間隔などは自治体によって異なります。
たとえば、弊社の位置する渋谷区では、20歳以上で偶数年齢の女性は無料で子宮頸がん検診が受けられます。
他にも、検診費用の一部を助成していたり、毎年無料で受けられたりする自治体など様々です。詳しくはお住いの市区町村のホームページなどをチェックしてみてください。
もちろん、毎年受診の機会があれば毎年受けていただくことが良いですが、2年に1度は必ず子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。
