座りっぱなしは悪いということや、睡眠時間が少ないのは悪いという話はよく聞きますが、どのように1日を過ごすことができればよりイキイキと仕事をしていけますか?
イキイキと仕事をしていくためには、毎日の座りっぱなしの時間を60分減らし、平均睡眠時間を60分増やすことが必要、ということが研究からわかりました。
座りすぎは身体によくない、運動は健康によい、睡眠不足は仕事の効率を悪くするなどは良く知られていますね。
ただ、人間の1日は24時間に限られており、行動のうちのいずれかの時間を増やすためには、他の時間を減らさなければいけないということになり、どのように過ごせばより良いのか悩むこともあるかと思います。
今回は研究結果に基づいて、イキイキと仕事を行うための健康的な習慣についてお話しいたします。
研究概要
公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所が「明治安田ライフスタイル研究」で、1,095名の労働者を対象に、24時間当たりの身体活動量や座位行動時間を測定し、メンタルヘルス(心理的ストレス・ワークエンゲージメント※)との関連性を調査しました。
※ワークエンゲージメントとは
仕事に関連した充実感や意欲など心の状態を表すことの出来る指標。
この指標が高いと仕事に対してポジティブに向き合うことが出来ていて心の健康度が高いと言える。
活動強度とメンタルヘルスの関係
1日の行動のうち、メンタルヘルスと関連のあったものは、「睡眠時間」と「座位行動・低強度身体活動(家事やゆっくりとした歩行)」でした。
まず、メンタルヘルスに悪影響となるのは睡眠時間が短いこと、座位行動・低強度身体活動の時間が長いことです。
ただ、低強度身体活動については、ワークエンゲージメントとは有意な関連が見られませんでした。
次に、仕事のある日の座位行動・低強度身体活動の60分間を削減し、その60分間を睡眠に再配分すると心理的苦痛は座位行動20.2%・低強度身体活動26.6%少なくなり、低いワークエンゲージメントは11.4%少なくなる可能性が高いということがわかりました。
そして、この行動をとると良い日は「仕事のある日」に限られていて、「仕事が休みの日」は行動との明らかな関連は見られませんでした。
少しずつ見直していくことが大事
今回の研究から、仕事のある日の行動について一度見直していただくことが、イキイキと仕事をするために重要であると言えます。
余暇時間になんとなくだらだらと過ごしている時間はありませんか?
その時間を一度に60分減らして睡眠に割り当てるのは難しいかもしれませんが、少しずつだらだらと過ごす時間を減らし睡眠時間を60分増やすことに近づけて行く心がけをしていきましょう。
