少しずつ涼しくなってきました。
そろそろ日焼け止めや日傘はやめてもいいでしょうか?
9月も変わらず紫外線が強い日が続きます。
紫外線は皮膚や眼の健康へ影響があるので、引き続き紫外線予防を行いましょう。
以下のグラフは気象庁が公表している、「2019年の日最大UVインデックス(観測値)」の年間推移グラフです。
●は観測値、細実線は1990年から2019年までの累年平均値を表しています。

UVインデックスとは、紫外線がからだに与える影響を分かりやすくするために、紫外線量を指数化したものです。
このUVインデックスは世界共通の指標であり、3を超える場合はできるだけ日差しをさけること、8を超える場合は可能な限り外出を控えた方がよいとされています。

紫外線による健康への影響
◆皮膚への影響
紫外線を浴びると、皮膚に炎症がおきて、日焼けしてしまうのは、みなさんもご存じですよね。
この日焼けには2種類あります。
まずは、赤くなり痛みを伴う日焼けであるサンバーンです。
これは、紫外線をあびて数時間後から赤くヒリヒリとし、8時間から24時間がピークとなり、2、3日で消えていきます。ひどい場合は水ぶくれとなり皮がむけることもあります。
2つ目は、サンバーンの後に黒っぽくなる日焼けであるサンタンです。これは、日に当たってから数日後に肌が黒くなり、数週間から数か月続くものです。
これら2つは、紫外線を浴びた直後におこる、いわゆる急性障害に分類されます。
また、長年紫外線を浴び続けていると、シミやしわ、または腫瘍が出てくることがあります。
年配の方のシミやしわは、加齢によるものに加えて、紫外線の慢性障害でもあります。紫外線予防は、アンチエイジングにも有効です。
また、皮膚にできる腫瘍のうち、悪性のものは皮膚がんとなります。日本人の皮膚がん罹患率は、世界的にみても少ない方ですが、年々増加傾向にあります。
紫外線予防は、皮膚がん予防にもつながるのです。
◆眼への影響
眼が紫外線を浴びたとき、ほとんどは角膜で吸収されます。
強い刺激を浴びたときに、紫外線角膜炎という急性の炎症が起きることがあります。白目が充血したり、異物感や涙が流れたり、ひどいときには強い痛みを伴います。日中強い紫外線を浴びた場合、夜からはじまり、深夜~翌朝にかけて症状が見られますが、1~2日で自然に直ります。
その他、慢性的な病気として、翼状片や白内障という病気があります。
翼状片とは、白目(眼球結膜)が黒目(角膜)にまで広がったような状態になることです。太い血管を伴っているので、常に充血したような状態です。白内障は、眼のレンズ部分(水晶体)がにごる病気です。レンズがにごるので、見え辛くなります。また、進行すると視力低下や失明につながります。
紫外線への影響を防ぐためには?
1. 紫外線の強い時間帯を避ける
紫外線は、お昼の12時前後に最も強くなります。外に出る際は、この時間を極力避けるようにしましょう。
2. 日陰を利用する
紫外線は、直接あびるもの以外にも、空気中で散乱したものや地面から反射したものもあります。それでも、なるべく紫外線を浴びないように、日陰があればそこで過ごすのが良いでしょう。
3. 日傘を使う、帽子をかぶる
日陰と同様に、日傘や帽子を使うことで、顔の皮膚や眼に日陰を作ることができます。紫外線カット率を記載した商品もあるので、ぜひ活用しましょう。
4. 衣服で覆う
長袖や長ズボンなど、皮膚を覆う部分が多いほど、皮膚が露出しているよりも紫外線を予防することができます。
ただし、紫外線カットと暑さはトレードオフの関係にあり、通気性が悪いものや色の濃いものの方が紫外線の透過率が低くなります。
熱中症などのリスクを考慮し、無理のない範囲で衣服を活用していきましょう。
5. サングラスを利用する
紫外線カット機能のあるサングラスや眼鏡を利用することで、眼が紫外線を浴びることを最大90%カットできます。サングラスの隙間からも紫外線は入ってきますので、できるだけ骨格にフィットしたものを選びましょう。
6. 日焼け止めを上手に使う
衣服で覆えない部分は、日焼け止めを利用しましょう。日焼け止めではなくとも、SPFやPAが表記されているものも有効です。
外に出る前に塗りましょう。効果はずっと続くわけではありませんので、2~3時間おきに塗りなおしすることをおすすめします。
<参考>
気象庁「日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ、2019年つくばデータ」
世界保健機関(WHO)「 What is the UV index? 」
環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
