食事【コラム】

冷凍野菜で工夫しよう!忙しいときの野菜摂取方法

野菜摂取量は、1日350gが目安と聞いています。
しかし仕事が忙しく、スーパーに寄る時間はありません。
野菜を手軽に食べる方法はありませんか?

冷凍の野菜を活用してみてはいかかでしょうか? 
コンビニでも買えますし、スーパーに並んでいる生鮮野菜とくらべて栄養価が高い場合もあります。

皆さん、冷凍野菜は栄養価が低いと思っていませんか?
実は冷凍技術の進歩により、冷凍野菜は栄養価も美味しさも保たれているのです。
今回は、冷凍野菜の栄養価が減らない理由や、冷凍野菜を活用したおすすめレシピをわかりやすくご紹介します!

冷凍野菜の栄養価が減らない理由

冷凍野菜の栄養価が減らない理由は、以下の3点にあります。

① ブランチング処理を行っているため
② 急速冷凍を行っているため
③ 旬の時期に収穫した野菜を使用しているため

① ブランチング処理を行っているため

ブランチング処理とは、食品を冷凍する前に加熱処理を行うことです。
加熱といってもやわらかくなるまで加熱するのではなく、短時間で熱湯や蒸気による処理を行います。
この処理を行う利点として、下記が挙げられます。

(1) 食品表面に付着する菌を殺菌できる
(2) 食品酵素の働きを抑え、変質や変色を防ぐことで長期間の保存が可能
(3) 細胞壁の破壊が抑制され、食品が冷凍状態に強くなる

このような利点がブランチング処理にはあるので、安全性、品質はもちろん、最終的には、栄養の損失も少なく済むのです。
※ 煮崩れしやすいトマトなど、ブランチングに向かない野菜もあります。

② 急速冷凍を行っているため

水分は、食品が凍り始める温度帯(-5℃~-1℃)で氷結晶に変化します。
この温度帯をゆっくり通過してしまうと氷の結晶が大きくなり、結果的に食品の組織がダメージを受け、品質が低下してしまうのです。
対して一般的に販売されている冷凍食品は、食品が凍り始める温度帯(-5℃~-1℃)を約30分以内に通過する急速冷凍を行っているので、栄養の損失も少なく品質を保てるのです。

③ 旬の時期に収穫した野菜を使用しているため

野菜は、旬の時期とそうではない時期をくらべると、一般的には旬の時期の野菜のほうが栄養価は高いです。
ほうれん草の栄養価について、旬の時期である冬季と夏季で比較したところ、冬季に収穫したほうが、3~5倍のビタミンCを含んでいることが女子栄養大学による研究でわかっています。
冷凍野菜は、主に旬の時期に収穫を行った後、上記で説明した急速冷凍、ブランチング処理を行っています。
つまり旬ではない生野菜よりも、冷凍野菜のほうが栄養価が高い場合もあるということです。

管理栄養士おすすめ冷凍野菜レシピ

コンビニに売っている冷凍野菜と食品のみで作れるオススメのレシピをご紹介します!

材料:グリル野菜ミックス
   トマトジュース1本(200ml)
   焼き鳥もも塩1本
   オリーブオイル大さじ1
   ニンニクチューブおよそ3cm
   塩コショウ

(1) グリル野菜ミックスを解凍する
(2) フライパンでオリーブオイルを熱し、ニンニクチューブをいれ油に香りを付ける
(3) 串から外した焼き鳥を(2)にいれる
(4) 解凍したグリル野菜ミックス、トマトジュースを(3)に入れトマトジュースが沸騰するまで中火で煮込む
(5) 塩コショウで味を調える

◆管理栄養士のおすすめポイント◆
トマト、トマト加工品にはリコピンという抗酸化作用(悪玉コレステロールの酸化を抑制し血液をさらさらにする作用、美肌効果)をもつ栄養素が含まれています。
また、調理をする油を加え、加熱をすると、生の状態よりもリコピンの吸収力が良いとされています。

野菜摂取量を増やすために工夫をしてみましょう

忙しくてスーパーに寄る機会がない方、料理をあまりしない方は、コンビニで手軽に入手できる冷凍野菜を活用して野菜摂取量を増やしましょう!
日本人、特に働く世代は野菜摂取量が「約100g程=小鉢1~2皿分」不足しています。
野菜不足は、肥満、貧血、イライラ、免疫力低下、便秘などさまざまな不調を引き起こします。
野菜摂取の方法を工夫して増やし、1日350gの野菜摂取を目指しましょう!

ABOUT ME
【管理栄養士】宮野 友里加
年間100人以上の特定保健指導、ダイエットサポートを食事面、運動面から行う管理栄養士。 食事に関するアドバイスはもちろん、自分自身がデスクワークを始めてから悩まされている「肩こり・腰痛」「目の疲れ」の予防、改善方法についてもセミナーや執筆活動を通して積極的に情報提供している。 目標は「働く世代の方々にとってが管理栄養士が身近な存在になること」 【保有資格】管理栄養士