肝機能についてのさまざまな質問にQ&A形式で解説します。


病気・症状・原因について
【Q1】お酒をほとんど飲まないのにγ-GTP値が高い……。なぜ?
軽度の異常(γ-GTP100未満)であれば、脂肪肝の可能性があります。
中等度以上(γ-GTP100以上)の異常であれば、肝臓病や胆道系の疾患の可能性もあるので医療機関を受診しましょう。
【Q2】ALT(GPT)だけ他とくらべて高いです。考えられる原因は?
AST(GOT)は肝臓以外の臓器にも含まれる酵素であるのに対して、ALT(GPT)はほとんどが肝臓にある酵素です。
そのためALT(GPT)のみが高い場合には、肝臓そのものに障害があることが疑われます。
脂肪肝を含む、肝臓の病気の可能性がありますので、医療機関で精密検査を受けましょう。
【Q3】激しい運動をすることでも肝機能の数値は上がるの?
肝機能の数値であるAST(GOT)は、肝臓のみでなく筋肉にも含まれる酵素です。
そのため、激しい運動で筋肉の組織を傷つけると、肝機能の数値、特にASTが上がることがあります。
また、風邪などの発熱で筋肉痛になっている際にも、肝機能の数値が上がることがあります。
【Q4】肝機能が悪いと皮膚に影響がでると聞きました。どんな影響出ますか?
肝機能が悪いとき、皮膚に出る異常としては以下があります。
★じんましんや痒み
肝機能障害で胆汁酸の分泌が増加することで起こります。
★黄疸
血中のビリルビン値が上昇すると、皮膚や眼球結膜(白眼の部分)が黄色くなります。
★爪の変色と変形
肝硬変が進行すると爪が白くなり、変形することがあります。
いずれも、皮膚に影響が出るようであれば、肝機能の障害はかなり進んでいると考えられるので、必ず受診しましょう。
【Q5】どの値も基準値を超えているけど何も自覚症状はないし、平気かな?
肝臓は「沈黙の臓器」といわれています。
相当に肝機能障害が進まなければ、自覚症状は基本的に現れません。
自覚症状がないからと放置していると、取り返しがつかないこともあります。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPのうち2つ以上が基準値を超えている方は、受診して原因を調べましょう。
食事・生活習慣について
【Q1】肝臓にいい食べ物ってなにかありますか?
肝臓に良い食品には以下のものがあります。
- しじみ・ホタテなど(アラニン):肝臓酵素のエネルギーになります
- カキ・タコなどの魚介類(タウリン):弱った肝臓の胆汁生産を助けてくれます
- 肉・魚・乳製品・大豆など(良質のたんぱく質):肝臓の痛んだ細胞を修復します
ただし、すでに肝臓病を発症している方には向かない食品もありますので、治療中の方は医師や管理栄養士に相談してください。
【Q2】食生活で心がけるべきことは?
脂肪肝の場合は、飲みすぎ食べすぎが大きな原因です。
ごはんやパンなどの炭水化物や甘いものをとりすぎないことや、油料理を控えるなど、適切なカロリー摂取が大切です。
また、肝機能が正常化するまではお酒は控えましょう。
【Q3】数値が下がったら、またお酒を飲んでも平気?
禁酒で数値が下がる脂肪肝の場合は、適量を守れるのであれば飲酒してもかまいません。
アルコール性肝炎の場合、禁酒で数値が下がっても、また飲酒を再開すると肝炎が重症化したり肝硬変に移行する可能性が高いので、断酒が必要です。
薬・検査について
【Q1】サプリメントは肝臓に悪い?
薬剤の使用が原因で肝機能障害になることがあります。
これは、薬の成分に対するアレルギー反応や体質が原因です。
サプリメントも薬の一種であり、成分によっては肝臓に障害を起こす場合があります。
肝臓の数値が急に上がった場合などは、服用しているサプリメントの影響も考える必要があります。
また、使用量は適切な量を守るようにしましょう。
