高血糖

血糖値が高い原因や改善方法は?今すぐ実践できる具体的方法を紹介

血糖値が年々高くなっている……

毎年健康診断で指摘されるけど、なかなか思うように数値が下がらない……

こういったお悩みがあり、どうしたら数値を下げられるのか知りたい!とお考えの方もいらっしゃると思います。
「血糖値が高い」と指摘をされてしまった方は、血糖値を上げやすい生活を送っている可能性があります。

ではどうすれば改善できるのか?
答えは、血糖値が急に上がりやすい食事の仕方をやめること、生活のなかで運動量を増やすことです。

この記事では、複数の企業で血糖値の数値が高い社員へ向けて健康診断後のフォローを行ってきた管理栄養士が、健康診断で血糖値が高いと指摘されたけど、生活習慣をどう改善したら良いかわからない方に向けて、数値を下げるための具体的な方法をわかりやすくお伝えします。

どうぞ最後までお付き合いください。

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血糖値、HbA1cの確認方法

血糖値とは、血液中の糖(ブドウ糖)の量をあらわしています。

血糖値が高い方は、肥満、食べすぎ、運動不足、喫煙など、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを弱めてしまう生活を送っていることが考えられます。
高血糖状態が長く続くと、糖尿病を引き起こすだけでなく、血管を傷つけて動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こしやすい状態となります。

血糖値の基準値

基準範囲要注意異常
99以下100~125126以上

高血糖はほとんど自覚症状がありませんが、著明な高血糖状態では下記の症状があらわれる場合もあります。
当てはまる方は、医療機関を受診するようにしましょう。

  • のどが渇きやすい
  • 排尿回数、量が増えた
  • 尿が泡立つ
  • 疲れやすい
  • 急激に体重が減少した

HbA1c

血糖値とともに重要なのは、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)です。
過去1~2ヶ月間の血糖値の平均値を指し、血糖コントロール状態が良好かどうかを主に確認しています。

基準範囲要注意異常
5.5以下5.6~6.46.5以上

血糖値が高い原因と改善方法

血糖値が高い状態が続くと、将来糖尿病を引き起こすリスクが高くなります。
ここからは、血糖値を下げる方法についてお伝えします。

どうして血糖値が高くなるの?

血糖値が高くなる原因として、肥満、食生活、運動不足・ストレス、遺伝が原因の可能性があります。
思い当たることがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

糖値の改善方法は、「食事の改善」「身体を動かす」など生活習慣の見直し

血糖値を下げるうえでは、主に食事と運動が大切です。
血糖値が高い方に特に気を付けていただきたい食事と運動のポイントは以下の通りです。

★食事は食べる順番の意識と菓子や甘い飲料を控えめに

食べる順番は血糖値と大きく関係しており、たとえ食事内容が同じであっても、順番を工夫するだけで食後の血糖値上昇を防ぐとともに、太りにくくなります。

はじめに野菜、海藻、きのこ類などのサラダ、お浸し、スープなどから食べましょう。
特に「食物繊維」が豊富なものを選ぶと消化吸収をゆるやかにし、食後の急激な血糖値上昇を防ぎます。
野菜を買うのが面倒な方は、パックのめかぶや冷凍野菜、カットわかめを活用したお味噌汁などもおすすめです。

ケーキやアイスクリーム、チョコレートなどの菓子類、ジュース、炭酸飲料、エナジードリンクなどの甘い飲料には糖分が多く含まれており、血糖値を上げてしまいます。
間食摂取やソフトドリンクなどを飲むことが習慣化している人は注意が必要です。
以下を例として食習慣の改善を行ってみてください。

<食習慣の改善例>
  • 菓子類は、1日200キロカロリーを目安として食べる量を決める
  • ビタミン、ミネラル、食物繊維摂取ができるくだものを食べる

※食べすぎると糖質量が多くなってしまうので、1日量で、みかん中2個、りんご1/2個、バナナ1本を限度にしましょう。また、遅い時間のくだもの摂取は脂肪をため込みやすくなります。

日が落ちたら食べるのは控えましょう!

  • 菓子類は、1日200キロカロリーを目安として食べる量を決める
  • ビタミン、ミネラル、食物繊維摂取ができるくだものを食べる

※食べすぎると糖質量が多くなってしまうので、1日量で、みかん中2個、りんご1/2個、バナナ1本を限度にしましょう。
また、遅い時間のくだもの摂取は脂肪をため込みやすくなります。 日が落ちたら食べるのは控えましょう!

  • カルシウム、タンパク質が摂取できるヨーグルトを食べる

※高タンパク質のギリシャヨーグルトは満足感も得られやすいです。

  • 甘いカフェラテではなく、ブラックのコーヒーを選択する
  • 運動時以外の水分摂取にスポーツドリンクは飲まない
  • 栄養ドリンクではなく、錠剤の栄養剤を使用する

最近では、コンビニやスーパーで糖質をカットした菓子類、飲料も多く販売されていますので、こうした商品も活用してみてはいかがでしょうか?

★食べたら動いて血糖値を下げる

血糖値を下げるのに効果的な運動として、有酸素運動とレジスタンス運動があります。

<有酸素運動>

有酸素運動はエネルギーを消費するだけでなく、食後に行うことで 血糖値の急激な上昇も抑えてくれます。
また、血糖値を下げるホルモンインスリンの効き目を良くします。
有酸素運動の種類や強度は以下をご参考ください。

種類有酸素運動を中心に実施(ウォーキング、速歩、水泳、スロージョギング
(歩くような速さのジョギング)、自転車、ベンチステップ運動など)
強度中等度以上 
目安として、心拍数が50歳未満で100~120拍/分、50歳以降で100拍/分以内
少し息が上がるが会話ができる程度
頻度・時間できれば毎日、少なくとも週に3~5回、20~60分間を目標にする
「10分×2回」でも「20分×1回」でも効果は同じとされている

運動時間の確保が難しい方は、朝の通勤時に購入する昼食をあえて昼に買いに行く、食後10分間歩く、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使用するなど、生活の中で運動することを意識してみてください!

<レジスタンス運動>

レジスタンス運動は、スクワットや腕立て伏せなど筋肉に負荷をかける運動のことをいいます。
筋肉を鍛え、筋肉量を増やすことで、体内の糖を消費量が増え、血糖値が低下しやすくなります。
また、血糖値を下げるホルモンインスリンの効き目を良くします。

種類スクワット、腹筋、腕立て伏せなどの自体重を用いるトレーニング
ダンベル体操、マシンなどを用いるトレーニング
強度1日6~8種目を1種目につき、10~15回を1セットとして1~3セット繰り返す
慣れていない場合にはレジスタンス運動の種目・セット数などを徐々に増やす
頻度・時間週に2~3回

歯磨きをしている際にスクワットをする、電車でかかとの上げ下げをする、自転車に立ちながら乗るなど、有酸素運動と同じように生活の中で運動することを意識してみてください。

その他、たばこを吸っているかたは禁煙を、ストレスを感じやすいという方は、ストレスをコントロールすることも血糖値コントロールに有効です。

糖質代謝で異常が見られる状態「糖尿病」

糖尿病は、いくつかの血糖値の検査項目で異常がみられる状態を指します。
また、ウイルス感染などにより自己免疫異常が起こり、膵臓の細胞が壊されることで起こる自己免疫による「1型糖尿病」と生活習慣、遺伝が主な原因の「2型糖尿病」があり、後者が9割を占めているほか、患者数が増加傾向にあります。

健康診断時の血液検査で血糖値をみる際には、2型糖尿病のリスクが高いかどうかを判定しています。
診断基準は以下の通りです。

①早朝空腹時血糖126㎎/dl以上
②食後2時間血糖200㎎/dl以上
③随時血糖200㎎/dl以上
④ HbA1c6.5%以上
  • ①~③のいずれかと、④が確認された場合、糖尿病と診断されます。
  • 血糖値が基準値を外れ、HbA1cのみが標準値でも、糖尿病の典型的な症状、糖尿病網膜症のいずれかがある場合は、糖尿病と診断されます。
    また、これらの症状がない場合でも、糖尿病疑いとなり、3~6ヶ月後に血糖値とHbA1cを再検査します。
  • HbA1cの基準値が基準値を外れ、血糖値のみが標準値の場合は再検査します。

糖尿病は、「治る」状態が難い病気ではあるものの、血糖コントロールをできれば健康な人と同じような状態で過ごすことが可能です。
血糖コントロールが上手くできないと、動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めますし、合併症を引き起こし失明したり、透析治療を行わなければならない重大な病気を引き起こす可能性もあります。

健康診断で血糖値が高いと診断された方、数値に注意が必要な方は放っておかず、生活習慣の改善をしていきましょう。

まとめ

ここまで血糖値が高い場合の原因と対処方法についてお伝えしてきました。
空腹時血糖値、HbA1cといった「糖質代謝」で数値を指摘されたら、以下を実施してみてください。

BMI値が25以上、腹囲男性で85㎝以上、女性で90㎝以上の方

  • 体重コントロールをこころがける
  • 1日の適切なカロリー摂取量を見直す

食事

  • 食べる順番は、①副菜(野菜、海藻、きのこなどのおかず)②主菜(肉、魚、卵などのおかず)③主食(ご飯、パン、麺などの炭水化物類)を意識する
  • 甘い菓子類、飲料は控える

運動

  • 有酸素運動を1日20分間以上
  • レジスタンス運動は、1日6~8種目を1種目につき、10~15回を1セットとして1~3セット繰り返す

ただし無理のない範囲、できる範囲で徐々に種目や回数を増やすようにしましょう。

誰でも生活習慣を急に変えるのは難しいものです。
今回お伝えしたなかで「これなら自分にでもできそう」ということから、少しずつ生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでもお役に立てば嬉しいです!応援しています!
最後までお読みいただきありがとうございました。

ABOUT ME
【管理栄養士】宮野 友里加
年間100人以上の特定保健指導、ダイエットサポートを食事面、運動面から行う管理栄養士。 食事に関するアドバイスはもちろん、自分自身がデスクワークを始めてから悩まされている「肩こり・腰痛」「目の疲れ」の予防、改善方法についてもセミナーや執筆活動を通して積極的に情報提供している。 目標は「働く世代の方々にとってが管理栄養士が身近な存在になること」 【保有資格】管理栄養士